後払い現金化業者は、審査が通らず消費者金融やクレジットカードの利用できないという方でも、毎月給与が入っていればゆるい審査で利用できるため、現金化の手段として注目を集めています。
それを追い風に、後払い現金化業者は毎月新しい業者が開業していますが、それと同じ、いえそれ以上に廃業している業者が多いことをご存じでしょうか。
「前回、利用した業者を使う方が安心だから、また利用しよう」と思ってサイトを開こうとしても、サイトの閲覧ができなくなっていて、業者名で調べると既に廃業していたということも多いようです。
なぜ後払い現金化業者は短期間で廃業するのか、その理由と廃業したと思われる業者リストを紹介します。
後払い現金化業者が短期間で廃業する理由
後払い現金化業者が廃業する理由には、主に次の3つが考えられます。
- 業者内部の事情
- 利用客とのトラブル
- 警察の摘発
業者内部の事情
後払い現金化業者にはいくつかの系列があり、系列業者同士で情報共有しながら一括運営しています。
そのため、ある系列店が忙しくなり人手が足りなくなると、他の後払い現金化系列店から応援を出すことがあり、応援を出した店舗はホームページが放置され、顧客対応ができなくなる場合があるようです。
また、後払い現金化業者の従業員は集客、受付対応、取立て回収まですべてを担当しなければなりません。
過酷な労働環境に耐えかねて従業員が退職し人手が足りなくなると、ホームページの更新や新規顧客の対応ができなくなってしまう場合もあります。
利用客とのトラブル
後払い現金化業者の中には、現金化業者を装った闇金業者も混ざっています。
こうした業者は高額な手数料を取っており、利用客が支払えないとわかると違法な取り立てを開始します。
返済に困った利用客が取り立てに悩み弁護士や行政書士などに相談すると、集団訴訟を起こされてしまうので、訴えられると察した現金化業者はホームページを閉鎖して廃業してしまいます。
ただし、廃業してもすぐに別の名義でホームページを開設し、営業を再開する業者もありますので注意が必要です。
警察の摘発
後払い現金化業者が短期間のうちに廃業してしまう3つ目の理由は、後払い現金化サービスが生まれた経緯に大きな関係があり、これが短期間で廃業する最も大きな理由でもあります。
後払い現金化サービスの前身は、給料ファクタリングという現金化サービスでした。
給料日の前に現金がなくなると、職場に頼んで「給料の前借り」をするという方法が古くからありましたが、給料ファクタリングは職場に代わって業者が前払いしてくれるサービスです。
給料ファクタリングの仕組みは、業者に自分の次の給与を債権として買取ってもらい、代わりに給与予定額から手数料を差し引いた現金を受け取り、給料日に支給された給与をそっくり業者に支払うというものです。
やがて給料ファクタリングは悪質な取り立ての被害が出て社会問題となり、「給料ファクタリングは、闇金業者が隠れ蓑にしている違法な貸金業」と認識されるようになりました。
そして、貸金業の届出を行わずに営業しているとして貸金業法違反に問われ、高額な手数料が出資法違反に問われて、次々と業者が摘発されました。
摘発を恐れた給料ファクタリング業者が次々と廃業し、この給料ファクタリングサービスは現在では廃れ、変わって誕生したのがこの後払い現金化サービスなのです。
消費者金融で融資を断られ、クレジットカード現金化も限度額に達していてこれ以上は使えないという人であっても、後払い現金化は毎月決まった額の給与を受け取っている人であれば審査に通りやすいため、現金が必要なのにすぐに用立てられる現金が手元にない人が「闇金を利用するよりはましだろう」と手を出してしまうようです。
しかし、給料ファクタリング業者が後払い現金化業者へと変わっただけで、危険であることに変わりはありません。
このような経緯から、後払い現金化業者へも司法の厳しい目が向けられており、摘発やトラブルで廃業する業者が増えているというのが現状です。
担保がない後払い現金化は、給料が担保になる給料ファクタリングとは違い、支払いが滞った場合の取り立ては、給料ファクタリングよりさらに厳しいものになると覚悟しておく必要があります。
また、闇金業者がよく使う手口ですが、わざと支払いを滞らせて、「支払い遅延料」という名の利息を延々と支払わせて利益を貪る業者もいますので注意が必要です。
廃業を装って個人情報を盗む悪徳業者に注意
後払い現金化業者を利用する場合、多くの業者はホームページに申し込みフォームを用意しているので、そこから簡単に申し込みができます。
申し込みの際には、氏名、連絡先、勤務先、メールアドレス、現金の振込先口座番号などの個人情報を入力し、本人確認のため運転免許証など公的な身分証明書のスクリーンショットを添付する必要があります。
しかし、申し込みフォームから現金化を申し込んでも、業者からなんの連絡も来ない場合があります。
これは業者がホームページを残したまま廃業してしまったからと考えられますが、中にはこうして集めた個人情報を“お金に困っている顧客リスト”として闇金業者に転売したり、系列の闇金業者に横流ししたりする悪徳業者もいます。
このような業者に関わってしまうと、闇金業者から営業の電話がしつこくかかってくる可能性がありますので注意しましょう。
廃業している後払い現金化業者リスト
廃業またはホームページが閉鎖されて営業できなくなっている後払い現金化業者を系列グループ毎に紹介します。
後払い現金化には次のような系列があります。
系列グループ一覧
- ツール系列
- スマート系列
- APB系列
- 御三家系列
- アトペイ系列
- 少数グループ
- 独立系(系列なし)
ツール系列で廃業した後払い現金化業者
ツール系列は前身の会社がFX自動売買ツールを販売していた、あるいは生活に役立つツール・プログラムを販売していたという情報があり、ツール系列と呼ばれているグループです。
ツール系列は支払いが遅れると、本人、勤務先に執拗な電話取り立てが行われるといわれています。
- EGG(エッグ)
- Miloku(ミロク)
- ファイン
- AMBITIOUS(アンビシャス)
- Premium Pay(プレミアムペイ)
- GOLD RUSH(ゴールドラッシュ)
- トレジャー
- 後払いGOOD
- リード
- タイムリー
- 後払い本舗
- セブン
- ツール市場
- TSUKEの助(つけのすけ)
- DOME(ドーム)
- 国際サービス
- @Gallery(アットギャラリー)
- Smiles(エスマイル)
- クオリア
- King(キング)
スマート系列で廃業した後払い現金化業者
後払い現金化業者の中でも審査がゆるく、土日も営業しているのがスマート系列です。
現在は3社が廃業またはホームページの閲覧ができない状態となっています。
- ECO PAY(エコペイ)
- PayRe:(ペイリー)
- S-mart(スマート)
APB系列で廃業した後払い現金化業者
APB系列は後払い現金化業者の中でも規模が大きく名の知られた系列ですが、最近廃業する業者が増えています。
支払いが遅れると電話取り立てが執拗で、SNSや暴露系のサイトに個人情報が公開される危険性があるといわれています。
- APB
- サプリ
- GREEN FEE(グリーンフィー)
- 後払いフリー
- レイズ
- Today(トゥデイ)
- エンジェルギャラリー
- ゴースト
- WORLD(ワールド)
- HOPE(ホープ)
- よつ葉のクローバー
- FOOL(フール)
- IMPACT(インパクト)
- ファントム
- アディクト
- INFINITI(インフィニティ)
- ぷあーず
- ぱいなっぷる
- BrownTabby(ブラウンタビー)
- ナポレオン
- ドルフィン
- Gallery Pay(ギャラリーペイ)
- 阿堵物屋(あとぶつや)
- AFTER PAY(アフターペイ)
御三家系列で廃業した後払い現金化業者
後払い現金化業者の系列の中で、1位、2位を争う知名度の系列です。
給料ファクタリングが廃れて後に登場した系列で、漫画やテレビアニメのキャラクター名を屋号に冠する傾向があるようです。
なお、この系列は利用客が購入代金の支払いをしようとしても振込先口座をぎりぎりまで知らせず、わざと支払いを滞らせて「支払い遅延料」で利益を得るなど、闇金業者と手口が似ているといわれています。
- 買取弁慶(かいとりべんけい)
- @SHOP(アットショップ)
- マウンテン
- アポロ
- ハナマル買取
- PAPICO(パピコ)
アトペイ系列で廃業した後払い現金化業者
アトペイ系列は後払い現金化業者の中でも後発組のグループのようです。
支払いが滞ったり、払えずに弁護士や司法書士を介入させようとしたりすると、本人や勤務先にしつこく嫌がらせの電話がかかってきたという情報があります。
- グランドカンパニー
- ツールジャパン
- 新ドリーム
- スマートバック
- スマイルバック
- グランドカンパニー
- スターペイ
- ゲート
- Sweet Sour(スイートサワー)
少数グループで廃業した後払い現金化業者
小さなグループに属している現金化業者で、グループの規模は小さくそれぞれ独自の審査があり審査基準は厳しいようですが、他の系列の現金化業者で支払いの遅延があっても情報が共有されないというメリットがあります。
- ARTICTION(アーティクション)
- 画像販売ライナー
- Mario Pay(マリオペイ)
- ATOM SUPPORT(アトムサポート)
- DIGART(デジアート)
- テンプラス
- Photobe(フォトビー)
- スピードツケ払い
- PHOTO HOUSE(フォトハウス)
- お助けつけ払い
- 後ラボ
- インフォクリエイト
- RI(アールアイ)
- ポンポン
- チャレワン
- キャッシュコネクト
- ヒカリ後払い現金化
- エンハウス
- Good Pay(グッドペイ)
独立系(系列なし)で廃業した後払い現金化業者
グループに属さない独自運営の業者です。そのため審査基準は厳しいようですが、他の系列の現金化業者で支払いの遅延があっても情報が共有されないというメリットがあります。
- あしすとPAY
- 後払いBRIDGE(あとばらいブリッジ)
- Kirara(キララ)
- paynine(ペイナイン)
- アトペイ
- つばめ屋
- SENSE(センス)
- MONETA(モネータ)
- ハヤク
- SKペイ(エスケーペイ)
- 後払イムス
- フューチャークリエイト
- テレジョブ
まとめ
給料ファクタリング業者が違法な融資に当たるとして次々警察に摘発され廃業に追い込まれたように、悪質な後払い現金化業者も警察の取り締まりを受けて同じ道を辿る可能性があります。
「背に腹は代えられない」として、当座しのぎで後払い現金化を利用しなければならない方もいるかと思いますが、悪徳業者に関わってしまったことでその後の人生が大きく変わってしまう可能性があります。
後払い現金化業者を選ぶ際は、業者をしっかり選定し口コミで実際に利用した方の体験談を見て、安全に利用できる業者を選びましょう。