現金化というとクレジットカード現金化がよく知られています。
クレジットカードのショッピング枠を使って、現金を入手することができる方法ですが、クレジットカードが使えない、消費者金融を利用しようと思っても審査に通らず借りられない、こんな場合の新しい現金化の方法として、後払い(ツケ払い)現金化が利用されています。
この後払い現金化の安全性とともに、最新の後払い決済サービスについて紹介します。
クレジットカード現金化がだめなら後払い現金化?
クレジットカード現金化は、クレジットカードのショッピング枠に利用残高があれば、審査なしで利用できる現金化の方法です。
現金化業者のショッピングサイトにある商品をクレジットカードで購入すると、購入特典としてキャッシュバックするという名目ですぐに現金が振り込まれます。商品購入代金の支払い(返済)は、クレジットカードの引き落とし日となるので最長1ヵ月の猶予が生まれます。
クレジットカード現金化は、クレジットカードを持っていれば誰でも利用可能です。
しかし、クレジットカードを持っていない、作ろうと思っても審査に通らない、あるいはキャッシング枠やショッピング枠を使い切ってしまっていて、これ以上利用できない場合はどうしたらいいのでしょうか。
そのような人でも現金化できるのが、後払い現金化です。
後払い現金化は、自分で行う方法と現金化業者を利用する方法がありますので、それぞれ紹介します。
後払い現金化を自分で行う方法
後払い現金化を自分で行う方法では、大手企業系列の後払い決済サービスを利用します。
ショッピングで先に商品を手に入れ、支払いは後払いの決済方法というと、クレジットカードが思い浮かびます。
後払い決済も、ショッピングサイトの商品を後払い決済で購入して商品を受け取った後、支払い期日までにコンビニエンスストアや銀行、郵便局などで商品代金を支払う決済手段ですが、クレジットカードは必要ありません。
クレジットカードを持っていない人やクレジットカードの不正利用を心配する人から、安全に利用できるとして、市場規模は年々拡大しています。
主な後払い決済サービス一覧
後払い決済名 | 運営会社 | 利用上限額 | 支払い期日 | 審査 | 実店舗での利用 | 手数料 |
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Paidy 翌月払い | (株)Paidy | 設定なし(利用状況により変動) | 月末締翌月10日払い | 有 | 不可(ネットのみ) | 口座振替は無料、コンビニ356円、銀行振込手数料は利用者負担 |
NP後払い | (株)ネットプロテクションズホールディングス | 合計55000円(税込) | 14日以内 | 有 | 提携店舗に限り利用可 | コンビニ・LINE Payは無料、銀行振込手数料は利用者負担 |
GMO後払い | GMOペイメントサービス(株) | 合計55000円(税込) | 14日以内 | 有 | 不可(ネットのみ) | コンビニ・LINE Payは無料、銀行振込手数料は利用者負担 |
atone(アトネ) | (株)ネットプロテクションズホールディングス | 50000円を基準に変動 | 月末締翌月20日払い | 有 | 利用基準を満たせば提携店舗で利用可 | コンビニ209円、口座振替は無料 |
メルペイスマート払い | (株)メルカリ | 利用限度額内で利用者が決定 | 月末締翌月末払い | 有 | 提携店舗に限り利用可 | コンビニ/ATMは200円〜880円 |
後払い決済を利用して自分で現金化する方法
後払い決済を使って自分で行う現金化の方法は、商品を後払い決済で購入し、届いた商品をリサイクルショップやオークションなどで売却して換金します。
自分で行う方法には、次のようなメリットとデメリットがあります。
自分で現金化するメリット
- 業者を介さないので、手数料を取られずに済む分換金率が高くなる。
- 悪徳業者の関与がないため個人情報を悪用される心配がない。
- 商品の目利き力があれば高い換金率で現金化できる。
自分で現金化する場合のデメリット
- 即日現金化ができない
商品を購入後、商品の到着を待ち、売却する作業があるため、現金化までに日数がかかり、即日現金化はできません。
- 商品選択を誤ると換金率が低くなる
人気のない商品を購入してしまうと、希望の金額で売却できない場合があります。
- 電子ギフト券の購入ができない
Amazonギフト券など、換金率の高い電子ギフト券は購入できません。
- 諸費用がかかる
届いた商品を売却するための諸費用、たとえばオークション手数料や送料、出品料などがかかります。
- 利用規約違反に問われる可能性がある
後払い決済サービス会社は利用規約に、「購入店から決済サービス会社が売買代金の債権譲渡を受けて、購入店に代わって利用者への売買代金を請求するもので、利用者の支払いが完了するまで商品の所有権は決済サービス会社にある」と明記しています。
万が一現金化が発覚すると、支払完了前に転売する行為は利用規約違反とみなされて、退会処分などのペナルティを受ける可能性があります。
後払い現金化業者を利用する方法
後払い(ツケ払い)現金化のもう1つの方法は、後払い現金化業者を使って行う現金化です。
業者にオンラインで依頼すれば、即日現金化が可能です。
後払い現金化業者を使った現金化の方法や、メリット・デメリットを紹介します。
後払い現金化業者を使った現金化とは
後払い現金化業者を使った現金化は、現金化業者から後払いで商品を購入し、「買取り」「購入特典のキャッシュバック」「口コミを書いた謝礼」といった名目で商品代金から業者の手数料を引いた現金がすぐに振り込まれる方法です。
実際の商品のやりとりはなく、すべての手続きがオンライン、もしくは電話で完結します。
後払い現金化の換金率は6割前後といわれています。
たとえば商品代金10万円の場合、6万円が即日現金化されて利用者の手に入ります。
利用者は、業者が指定する支払い期日までに商品代金10万円を銀行振込で支払います。
商品代金の10万円から現金化された6万円を引いた差額の4万円が業者の手数料です。
後払い現金化業者を利用した現金化の流れ
後払い現金化業者をネットで検索すると多数の業者がヒットします。
利用する業者を決めたら、サイトの問い合わせフォームに必要事項を入力して送信します。
現金化の流れは次の通りです。
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1.問い合わせ
メールフォームや電話で問い合わせをします。
その際、氏名、電話番号、メールアドレス、雇用形態(正社員、契約社員/嘱託社員、パート/アルバイト、派遣など)、勤務先業種、希望金額などの情報を知らせます。
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2.書類提出
折り返し連絡が来て、必要書類の提出を求められますのでメールで送ります。
業者により多少異なりますが、主な提出書類は以下の通りです。
・顔写真付き身分証明書(両面)
・身分証明書を持った自撮り写真
・保険証(両面)
・直近の給与明細書(2〜3ヵ月分)
・直近の入出金履歴が記載されている通帳の写し (2〜3ヵ月分) -
3.審査
1と2で提出した情報を基に審査が行われます。審査の過程で職場への在籍確認が行われる場合があります。
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4.金額提示
後払いで購入する商品の金額、買取りまたはキャッシュバックなどで即日現金化される金額などが提示されます。その金額に納得したら契約に同意します。
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5.商品購入、現金化
業者のショッピングサイトで指定の商品を購入すると、先ほど提示された金額が即日指定の金融機関口座に振り込まれます。
業者により振り込みまでの時間は多少前後しますが、最短30分、遅くとも当日中には振り込まれます。
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6,商品代金支払い
業者が指定する期日までに、商品代金を業者指定の銀行口座に振り込みます。
後払い現金化のメリット・デメリット
後払い現金化のメリット
- 信用調査でブラックリストに載っている人、クレジットカードが作れない(使えない)人でも、業者の審査に通れば利用できる。
- 即日現金化ができる。
後払い現金化のデメリット
- 手数料が高く、換金率が低い。(換金率の相場は6割前後)
- 給与明細書、銀行口座履歴など個人情報を提出しなければならない。
- 悪徳業者に関わると、個人情報を悪用される恐れがある。
- 在籍確認で職場に連絡が入る場合がある。
- 無職、専業主婦など定期的な収入がない人は審査に通らず利用できない。
- 非正規雇用やアルバイト・パートの場合は審査に落ちる可能性がある。
- 支払いが滞ると、厳しく取り立てられる。
在籍確認で職場に電話連絡され、上司や同僚に怪しい金融会社を利用していることが発覚してしまわないか心配な人は多いと思われます。
現金化業者の中には、「審査なし」「ゆるい審査」「在籍確認なし」などと宣伝している業者もありますが、そういう業者ほど、申し込み時点の対応は甘くても、支払いが滞ると態度を豹変させ職場や自宅に嫌がらせの電話をするなど厳しい取り立てをしてくる恐れがあります。
怪しい業者から催促の電話がかかってくると、職場の人達にお金に困っていることがわかってしまいますので、業者選びは慎重に行いましょう。
後払い現金化業者の問題点
給料ファクタリングという現金化方法がかつてあったのをご存じでしょうか。
昔から、現金が必要になった時に給料日の前に給料の前払いしてもらう「給料の前借り」という方法がありますが、給料ファクタリングは、職場に代わって業者が給料を前払いしてくれる商売です。
給料ファクタリングは業者に給与債権を買い取ってもらい、給料日より前に手数料を差し引いた額の現金を受け取り、給料支給日に支給された給料をそっくり業者に手渡すという仕組みです。
しかし、給料ファクタリングは悪質な取り立てなどの被害が出て問題となり、「給料ファクタリングの実態は貸金業」「闇金業者が隠れ蓑にしている」と認定されて商売として成り立たなくなりました。
そして、給料ファクタリングに変わって誕生したのが、後払い現金化といわれています。
後払い(ツケ払い)現金化は消費者金融ではもう借りられない、クレジットカードもこれ以上は使えないという人でも、毎月給料が支払われていれば審査に通り利用できるため、手を出してしまう人が多いようです。
しかし、給料ファクタリングが後払い現金化に名前が変わっただけで、危険であることには変わりがありません。
給料ファクタリングは給料が担保になりましたが、後払い現金化は担保となるものがないので、支払いができなくなった時の取り立ては、給料ファクタリングより厳しいものになることを覚悟しておいた方がいいでしょう。
まとめ
後払い現金化は、高額の手数料を取られるため換金率は低いので、一時しのぎの金策にしかならず、その後支払いに苦しむことになります。
高額の支払いを負うことになり債務が膨らんで、資金繰りがさらに悪化してしまう可能性もあります。
特に審査なしや審査がゆるい業者を使うと、支払いが滞った途端に厳しい取り立てが始まる可能性が高いので、安易に利用することはやめましょう。
「後払い現金化か、闇金か、選択は二つに一つ……」
そんな最悪の状況になってしまう前に、収支を見直して改善できるところはないか考えてみましょう。
そして、どうしても金策しなければならない状況になったら、クレジットカード現金化など他の方法を検討してみることをおすすめします。