クレジットカード現金化の様々な問題に対する対策とトラブルの際の窓口について

現金が必要なのに手元にない、そんなとき便利なのがクレジットカード現金化です。

しかし、「安易に現金化をして失敗した」「現金化をしてトラブルに巻き込まれた」などの声を聞くことがあります。

クレジットカード現金化の落とし穴と、気をつけたい点、そして被害に遭った場合はどこへ相談したらいいのかについて紹介します。

クレジットカード現金化の落とし穴について

クレジットカード現金化の落とし穴について

クレジットカード現金化をスムーズに行うためには、クレジットカード現金化の優良店を利用すると安心と言われています。

現金化業者には買取方式キャッシュバック方式がありますが、どちらの方式も専門の買取業者が存在します。

買取方式 利用者がクレジットカードで買った商品を買い取って現金化する方法
キャッシュバック方式 クレジットカードで商品を購入した特典をキャッシュバックという形で現金を受け取る方法

買取方式の業者を使えば、換金率の高い商品を紹介してもらえ、自分で売却する手間がないためスピーディに現金化ができます。

キャッシュバック方式の業者は決済代行会社を通して決済処理をするので、クレジットカード会社に現金化したことが発覚しづらく、安全に現金化ができます。

しかし、このクレジットカード現金化を利用して、トラブルに遭ったという声を聞きます。安全確実と思えるクレジットカード現金化に、どんな落とし穴が待っているのでしょうか。

派手な広告につられて現金化業者を選んでしまう

クレジットカード現金化業者のサイトを見てみると、見栄えの良い写真とともに、「高い換金率」「最短5分で入金」、そして「気軽に」「安心!」「信頼できる」などという魅力的なキャッチコピーが溢れている好感度が高そうなサイトがあります。

しかし、そういう言葉を信用して申し込んだばかりに、換金率がサイトに書かれていたのとは違って損をしたり、入金までに時間がかかってしまったりする可能性があります。

途中で話が違うと気づいても、キャンセルができない、手続きは済んでいるはずなのに入金されないといったトラブルに巻き込まれる可能性もあります。

MEMO

現金化業者の中には、悪質な業者が混ざっている可能性があるので、広告だけで業者を選ぶのは危険です。

法律上安心だと信用させられる

「景品表示法を遵守しています」「古物商許可証取得済で公安委員会の許可を受けています」など、法律面でまったく問題のない業者であることを全面に出して宣伝している業者がいます。

そういった法律上問題がないという宣伝文句を鵜呑みにして「ここなら安心だろう」と申し込んでしまったところ、トラブルに巻き込まれてしまう場合があります。

MEMO

もともとキャッシュバック方式は景品表示法の景品には当たらず、古物商許可証についても古物を取り扱う許可を取っているだけなので、「だから安全に現金化できる」という保証にはなりません。

詐欺に遭い二重の被害に遭う

「上場間近の株」「絶対に値上がりする」「あなただけ、今だけ特別に譲渡できる」などと電話がかかってきて未公開株の購入をすすめられ、「お金がないから」と断ったが、クレジットカード現金化を紹介される。

そこで言われた通りに現金化したお金で株を購入するために指示された銀行口座に振り込んだが、音信不通になってしまい、クレジットカードの支払いだけが残ってしまった。

こういう事例があります。

MEMO

未公開株の購入を持ちかけられた上、現金化を指示されるという二重の被害に遭ってしまい、自分が現金化したお金を奪われて多額の負債を抱えることになります。

現金化の口実に持ちかけられるのは、「未公開株」のほか、「外貨購入」「水源の権利」「温泉付き高級老人ホーム」など様々な商品があり、「上場企業の○○が関わっている」「慈善事業で人助けになる」など気を引く誘い文句で誘われますが、儲かる仕組みについて一切説明がありません。

高齢者をターゲットに電話などで勧誘されることが多いので注意が必要です。

クレジットカード現金化に潜在する問題点まとめと対策について

クレジットカード現金化に潜在する問題点まとめと対策について

現金化業者の宣伝にはいいことしか書かれていませんが、実は問題点もあります。そこを理解して利用しないと、痛い目に遭ってしまいます。

クレジットカード現金化が引き起こす問題点と、その対策について紹介します。

クレジットカード現金化は法的にグレーゾーンである

クレジットカード現金化は、法的にはグレーゾーンです。

なぜなら、クレジットカードを使って現金化する手順と、クレジットカードで衝動買いしたあとで後悔し、リサイクルショップやフリマアプリで売却する手順には違いがなく、現金化目的でクレジットカードを使ったとしても、簡単に言い訳できてしまうので、明確な根拠がないと罪に問うことができないからです。

しかし、買取方式の業者なのに古物商許可証を取らずに買取りをしていたり、貸金業者がキャッシュバック方式の現金化業者を装っていたりすると、摘発される可能性があります。

このような場合でも、今のところ、利用者が罪に問われることはありません。

なぜ法律のグレーゾーン?

クレジットカードのショッピング枠を使った現金化は、クレジットカードを使って購入した商品が気に入らずに転売して換金した場合と、同じ行為をしているため、現金化だけを違法だとして取り締まれないためです。

ただし、現金化の問題は司法や金融業界でも認識されており、現金化業者が無届で貸金業を行っていたとして貸金業法違反で摘発されたケースや、上限金利を超える利息で融資をしていたとして出資法違反で摘発されたケースなど、事件として扱われるケースは増えています。

MEMO

韓国ではクレジットカード現金化が社会問題となり、クレジットカード現金化を禁止する法律ができました。

日本でも問題が大きくなれば法で規制される可能性がありますので、利用する際は注意が必要です。

また、トラブルに遭わないようにするためには、業者選びを慎重に行うことが大切です。

クレジットカード会社の利用規約で禁止されており契約違反行為になる

クレジットカード現金化は法律で明確に禁止されているわけではないから安心、と安易に思ってはいけません。

クレジットカード会社の利用規則では、クレジットカード現金化は禁止事項に該当しています。

万が一、クレジットカード会社に現金化が発覚すると、以下のペナルティを課せられる可能性があります。

現金化が発覚した際のペナルティ

  • 即時に利用停止となってカードが使えなくなる。
  • キャッシング、ショッピングの負債を一括請求される。
  • 退会処分になり、信用情報機関に情報が送られて、その後のローン審査などに通りにくくなる。
MEMO

買取方式で現金化したことがクレジットカード会社に見つからないようにするには、換金率の高い商品ばかり繰り返し購入しないようにしましょう。

また、キャッシュバック方式の場合は、決済代行会社を使って決済している業者を選ぶようにしましょう。

クレジットカード現金化繰り返して支払い困難に陥る

クレジットカード現金化は現金化業者に依頼すれば手軽にできます。

しかし、1カ月後のクレジットカード会社の引き落とし日には、現金を用意して支払いをしなければなりません。

支払う現金がないために、またクレジットカード現金化をして……と現金化を繰り返していくと、雪だるま式に債務が増えて返済不能に陥ってしまう可能性があります。

MEMO

現金化する金額は必要最低限にして、無闇な現金化は避けましょう。

冠婚葬祭などで一時的に現金が足りずに、その月だけ現金化するのならいいのですが、月末になると生活費が足りなくなって現金化を繰り返しているという人は、毎月の収支の見直しをしてみましょう。

クレジットカード現金化を借入れとみなすと、法定金利以上の利息を支払っていることになる

現金化率85%の現金化業者の場合、15%が業者の手数料となります。この手数料を借入れの利息と考えると、かなりの高利になります。

10万円を現金化する例で見てみると、現金化率90%の業者で現金化すると9万円が手元に残り、1万円が手数料になりますが、これを借入れに当てはめると利息はどのくらいになるのでしょうか。

9万円を借りて1ヶ月後(※30日後とします)に10万円返済すると、利息がいくらになるか計算してみます。

【借入れ】

借入額(元金) 9万円
返済額 10万円
利息額 1万円
利息 11.1%
※利息の計算式 利息額1万円=元金9万円×金利(年利)

1ヵ月で返した場合の利息は11.1%となり、年利にすると11.1×12カ月で133.2%となります。

法律で定められた上限金利は年15〜20%ですから、現金化の手数料を利息と考えるとかなり高い利息を取られていることになります。

現金化業者がリスクを一切説明しない

クレジットカード現金化業者のサイトを見ると、「高い現金化率」「スピード入金」「審査不要」「カード事故ゼロ」など、メリットばかりを強調して宣伝しています。

ですが、外部の口コミサイトや掲示板を見ると、「手続きが終わっても入金されなかった」「現金化率が広告より低くて損をした」「カード会社に怪しまれた」など利用者の失敗談を読むことができます。

万が一、クレジットカード会社に発覚してしまうと、重いペナルティを課せられます。

また、業者が摘発されても今のところ利用者は罪に問われませんが、それでも業者が捕まって現金は入金されないのに、クレジットカード会社への債務は残っているという事態になってしまいます。

MEMO

現金化のリスクを理解し、どうしても現金化しなければならない場合は信頼できる業者を選びましょう。

クレジットカード現金化であることを隠されて勧誘される

「クレジットカードで買い物をしてもらえたら、キャッシュバックで現金が手に入ります」と勧誘され、カラクリがわからないまま申し込んだら、確かに少額の現金は手に入ったが、クレジットカード会社への支払いで金策に走ることになってしまった……。

このように、知らず知らずのうちに現金化をしてしまったという例があります。

また、先に紹介した未公開株詐欺のように、詐欺グループに目をつけられて、いつの間にか現金化に誘導される危険があります。

MEMO

世の中にそんな美味しい話はありません。怪しい勧誘を受けても話に乗らないようにするとともに、ネットなどで詐欺ではないか調べてみましょう。

入金されなかったり、現金化業者と突然連絡が取れなくなったりするケースがある

長年、営業実績を積んでいる現金化業者を利用しないと、入金されないまま雲隠れされ、連絡も取れずに、クレジットカード会社への債務だけが残ったという例があります。

MEMO

現金化を申し込む前に、会社概要などをよく見てください。創立年が新しく、実績がない業者は候補から排除して利用しないようにしましょう。

業者の電話番号や所在地などを確認して、万が一メールで連絡が取れなくなったときのために控えておくといいでしょう。

個人情報が漏洩してしまい、怪しいメールが届くようになった

金策に困って現金化を利用したら、現金化業者から個人情報が売られてしまったようで、闇金業者から怪しい融資のメールや電話が入るようになったという例があります。

MEMO

個人情報の管理をきちんとしている業者を選ぶようにしましょう。

外部の現金化業者比較サイトや口コミ掲示板で、信用できる業者かどうか評判を確認し、情報漏洩などの問題を起こしていないかをチェックしておきましょう。

悪徳業者、闇金業者が業界に入り込んでいる

クレジットカード現金化を利用する人が増えるにつれて、新しく参入してくる業者が増えています。

その中には、最初から利用者を騙すつもりの悪徳業者や、闇金業者が混ざっている危険があります。

MEMO

創立年が古く、現金化の実績がある業者を選ぶようにしましょう。

創立年が新しい業者は、新規参入したばかりでまったく実績がなく信用できるかどうか判断できませんし、悪徳業者が屋号を変えて新しく営業開始した可能性も考えられるので、利用は避けましょう。

外部の比較サイトや掲示板で名前が見つからない業者は、実績が全くないので候補から排除して利用しないでおく方が安心です。

トラブルに遭ったとしても、「罪に問われるのでは?」「クレジットカード会社からペナルティを課せられるのでは?」という不安から申し出るのがはばかられるため、被害が潜在化しやすい

現金化業者を利用して、「騙された」「話が違う」などの被害に遭っても、クレジットカード会社が禁止している現金化に手を出してしまった罪悪感から、被害の申告ができず被害が潜在化してしまう傾向があります。

こうして、被害が潜在化してしまうと、さらに多くの人が被害に遭ってしまいます。

MEMO

問題を抱え込んで何もしないでいると、負債はどんどん膨らんでいってしまいます。

クレジットカード会社に現金化を知られるのは避けたいというのであれば、まずは消費者の相談を受けている国民生活センターに相談してみましょう。

関連ページ:クレジットカード現金化業者の問題を相談するなら消費者庁所管の国民生活センターへ

クレジットカード現金化でトラブル・被害に遭った場合の相談先一覧

クレジットカード現金化でトラブル・被害に遭った場合の相談先一覧
クレジットカード現金化でトラブルや被害に遭った際に、役に立ちそうな相談機関を紹介します。

また、これは犯罪被害だと思えるような場合は、ためらわずに警察に相談することをおすすめします。

多重債務についての相談

  1. 金融庁HP
    多重債務に陥った人向けに都道府県が開設している「多重債務相談窓口」や、貸金業法の基礎知識などを掲載
  2. 国民生活センター
    消費者金融、クレジットカードの多重債務、消費者被害の相談窓口
  3. 全国統一電話番号 188

債務整理についての相談

まとめ

クレジットカードの現金化をしたときに起こりうる様々な問題と、トラブルに巻き込まれた際の対策、そして個人で解決できない場合の相談窓口について紹介しました。

現金化は便利な反面、業者選びを間違えてしまうとトラブルに巻き込まれて被害に遭ってしまいます。

被害に遭っても、クレジットカード会社が禁止している現金化をやってしまった手前、外部機関に債務整理や被害の相談することをためらう人は大勢います。

返済不能になって自己破産をしようとしても、現金化が理由の場合は自己破産が認められない可能性が高いため、自暴自棄になってしまう人も多いでしょう。

クレジットカードの現金化は、ほかに方法がない場合の最後の手段にし、身内や消費者金融などから借入れができないか、よく考えてみましょう。

現金化するしか方法がない場合は、業者選びを慎重に行いましょう。

そして、トラブルに遭うか遭いそうなときは、ためらわずに相談機関へ連絡することをおすすめします。