楽天カードでの支払い、楽天市場での買い物など、楽天グループのサービスを利用するとポイントが貯まるのが、楽天ポイントプログラムです。
貯まった楽天ポイントは、楽天グループのサービスや楽天カードの加盟店を利用した際の支払いに現金の代わりに使うことができます。
楽天グループには、楽天銀行や楽天証券などの金融サービスもあります。このうち、楽天証券では投資信託や株式投資、バイナリーオプションなどに楽天ポイントを使った「ポイント投資」をすることができます。
「ポイント投資」が上手く運用できれば、ポイントを高い換金率で現金化することができます。
ただし、一般的に投資で得た所得は課税される場合があるので、この点はしっかり理解して始めることが大切です。
投資のことはよくわからなくて不安な方、わざわざ楽天証券に口座開設するのは面倒という方には、楽天ポイントクラブが提供する「ポイント運用」というサービスがあります。
こちらは、楽天ポイントをそのまま運用してポイントを増やしていくもので、現金として受け取ることはできませんが、楽天証券に口座開設をする必要はなく、非課税で運用が行えます。
ここでは、楽天ポイントを使った「ポイント投資」と「ポイント運用」の方法やメリット・デメリットとともに、それぞれの課税ついても紹介します。
楽天ポイントを使ったポイント投資とは?
貯めた楽天ポイントを使い、楽天証券に口座を開設して「投資信託」「国内株式」「バイナリーオプション」の中から好きな金融商品に投資するサービス。
「ポイント投資」は、
- 貯まったポイントを現金化したい
- 将来を考えて投資を始めたいけれど、現金を使って損をするのが怖い
- 貯まった楽天ポイントの使い道がなく、有効期限が切れそうなので、何かに使いたい
という方におすすめの方法です。ポイント投資で特におすすめなのが、投資信託への投資です。
3つの金融商品のうち投資信託だけが楽天のスーパーポイントアップ(SPU)対象となっており、投資信託にポイント投資することで楽天会員の通常のポイントが+1倍加算されます。
- 上手に運用できれば、100%以上の換金率で現金化することが可能です。
- 使い道のないポイントや有効期限が切れそうなポイントを有効活用できます。
- 楽天証券に口座開設して行うポイント投資なら、名義人が死亡した場合は相続人に移管することができます。
- 1ポイントから利用でき、ポイントのみで投資信託に投資する場合は100円から行えます。
- NISA口座を開設して、非課税にすることが可能です。
- 使用できるポイントは、楽天サービスで得た通常ポイントのみです。期間限定ポイント、SPUで獲得したポイント、他ポイントから交換した楽天ポイントは使えません。
- 投資ですので、運用に失敗するとマイナスになる場合があります。
- 買付・換金手数料や管理費用がかかります。
- 運用額(利用ポイント数)によっては、運用益が出た場合課税されます。ただし、NISA口座を開設することで非課税にすることができます。
投資信託とは
投資信託は、投資家から集めたお金を大きな資金にまとめて、運用のプロであるファンドマネージャーが株式や債券などに投資運用して、その運用の成果を利益として投資家に還元する金融商品です。
- 少額から開始できる
- 運用のプロが投資を行う
- いろいろなものに投資するのでリスクを分散できる
- 個人では投資しづらい海外の金融商品に投資できる
- 投資対象が国内株式の場合は、株式の値動きによっては投資元本を割り込む恐れがある
- 投資対象によっては、金利の変動や為替相場の変動などで、投資元本を割り込む恐れがある
- 一部の投資信託では、換金できない期間が設定されている場合がある
投資信託にかかる費用
投資信託では、銘柄ごとに定められた買付・換金手数料(最大税込み4.40%)や管理費用などがかかる場合があります。
楽天証券と口座開設の方法
楽天ポイントで「ポイント投資」を行うためには、楽天証券に口座を開設する必要があります。
楽天証券とは
楽天証券は1999年にDLJディレクトSFG証券として誕生し、2003年に楽天の連結子会社となり、2004年に楽天証券と改称しました。
楽天証券は主要ネット証券会社5社の中で、2020年新規口座開設数でトップとなり、2020年12月には、口座数が500万口座を突破して、1位のSBI証券に次ぐ2位となった勢いのあるネット証券会社です。
- 投資信託に興味があるが、何を選べばいいかわからない
- じっくり企業の成長を見守るような投資をしたい
- デイトレードで大儲けしたい
- 株主優待が目当てで少額投資したい
- 利益が出たらすぐ確定したい
- いろいろな投資を勉強して挑戦したい
というような、さまざまなニーズに応えています。
楽天証券の口座開設方法
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1.楽天会員ログイン
楽天証券ポイント投資ページの「口座申込」をクリック、続けて楽天会員に登録済の方は「楽天会員の方」をクリックして、楽天会員のユーザID/パスワードでログインします。
※楽天証券に口座開設するには、楽天会員登録が必要です。楽天会員登録がまだの方は、「楽天会員に新規登録(無料)」をクリックして、基本情報を入力して登録します。
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2. 本人確認書類の選択・提出
提出する本人確認書類を選択し、提出します。
スマートフォンをお持ちで、運転免許証や個人番号カードを使う方は、「スマホで本人確認」、それ以外の方は「郵送で本人確認」となります。
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3. 本人情報の入力
氏名や住所などを入力します。この時、「スマホで本人確認」を選択した方は、ログインパスワードの登録が必要です。
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4. ログインIDの受け取り(メールまたは郵送)
「スマホで本人確認」を選択した方は、翌営業日以降に手続きが完了しログインIDがメールで送信されてきます。
「郵送で本人確認」を選択した方は、確認書類を発送してから5営業日位でログインIDとパスワードが郵便で返送されてきます。
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5. 初期設定・マイナンバー提出
楽天証券ホームページ内の「ログイン」ボタンからID/パスワードを入力してログインします。
ログイン後、取引の前に必要な暗証番号や勤務先情報などの初期設定を行います。
初期設定が完了すると、マイナンバー登録画面に映ります。マイナンバー登録が完了すると、取引が可能になります。
※本人確認書類提出の際、個人番号カードを「スマホで本人確認」で提出された方は、マイナンバー登録は不要です。
ポイント投資(投資信託)の方法
スポット購入
最低買付単位100円から投資信託を購入する方法です。
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1. 楽天証券にログインし、ポイント設定画面でポイントコースを「楽天ポイントコース」に変更します。
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2. 購入する投資信託を選択します。
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3. 利用ポイントを入力して注文します。
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4. 購入完了
積立注文
あらかじめ設定した日付と引落方法で毎月投資信託を購入する方法です。
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1. 楽天証券にログインし、ポイント設定画面でポイントコースを「楽天ポイントコース」に変更します。
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2. 購入する投資信託を選択します。
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3. 積立設定画面で利用ポイントを入力して注文します。
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4. 積立設定完了
※積立注文では、利用ポイントを、
- 「すべて使う」注文時点で保有しているポイントをすべて利用する
- 「毎日の上限××ポイント」毎日決まった額のポイントを利用する
- 「毎月の上限××ポイント」毎月利用上限を決めてポイント利用する
の3つから選択することができます。
楽天ポイントの「ポイント投資」でかかる税金は?
楽天ポイントでポイント投資を行った場合、税金は、
- ポイントを証券口座に移した時点
- 運用益が出た時点
この2つの場面で課税の機会があります。
証券口座に移した時点での課税
楽天ポイントを使ってポイント投資を行った場合、ポイントのみで購入した場合もポイントと現金を合わせて購入した場合も、ポイント使用相当額は利用した日が属する年分の一時所得の総収入金額に算入されます。
これは、楽天ポイントを金銭とみなして楽天証券の口座に移して資産運用をするため、ポイントを換金して経済的な利益が得られたと考えられ、一時所得とみなされるためです。
一時所得の金額は、次のように計算します。
(※)その収入が生じた行為をするため、またはその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額のことで、ポイント投資の場合は収入を得るために支出した金額は0と考えられます。
この計算式で計算された一時所得の1/2に相当する金額が、給与所得などの他の総所得金額と合算され、所得税が計算されます。この場合、累進税率(※)が適用されます。
(※)累進税率…収入や遺産が多い人ほど、より高い割合で所得税や相続税が課される課税方式
500円(ポイント使用相当額)-0円-50万円(特別控除額)=0円(一時所得)
となります。このように、特別控除額が50万円ありますので、ポイント投資を行う段階で課税されることはほぼないと考えられます。
※これ以外にも他でポイント投資を行っている場合、あるいは他に一時所得がある場合は、この限りではありません。
詳しくは国税庁タックスアンサー「個人が企業発行ポイントを取得または使用した場合の取扱い」をご確認ください。
運用益が出た時点での課税
運用益についての課税は、現金での投資と同様に運用益に課税されます。
株式や投資信託であれば、株式や投資信託を売却して楽天証券の口座に現金が入る際、運用益があれば一律20.315%の分離課税(※)が適用されます。
(※)分離課税…ある所得を他の種類の所得と合算せず、分離して課税すること
NISA口座で賢く投資すれば非課税になる
通常の投資では株式・投資信託の配当金や値上がり益などの運用益に対して、一律20.315%の税金がかかりますが、NISA口座で運用した利益には税金がかからずまるまる利益を手にすることが可能です。
NISAには「つみたてNISA」と「一般NISA」があり、口座開設の際にどちらか1つに申し込むことができます。
他の証券会社でNISA口座を持っている場合は新しくNISA口座を楽天証券で開くことはできませんが、他社のNISA口座を楽天証券に変更することは可能です。
つみたてNISA | 一般NISA | |
---|---|---|
利用対象者 | 日本国内在住で、1月1日時点で20歳以上の個人 | |
投資方法 | 積立 | スポット購入&積立 |
非課税対象 | 売却益、配当金、分配金 | |
年間利用上限額 | 40万円 | 120万円 |
非課税期間 | 20年 | 5年 |
NISA対象商品 | 国の基準を満たした投資信託 | 国内・国外株式、投資信託 |
金融機関変更 | 各年毎に変更可 |
※ジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)口座もありますが、こちらはポイント投資の対象外です。
※投資初心者でポイント投資から始める方は、つみたてNISAがおすすめです。
楽天ポイントを使った投資信託、2つ目の方法「ポイント運用」とは?
楽天ポイントを使った投資信託で、もう一つの方法が「ポイント運用」です。
楽天ポイントクラブが行う「運用の疑似体験」ができるサービス。楽天証券を通して行う「ポイント投資」とはまったく別のもの。
運用はポイントで行われ、運用益もポイントで貯まって行きます。貯まったポイントは引き出して、楽天ポイントとしてショッピングなどに使えます。
- 楽天証券の口座開設が必要なく、アクティブかバランスか2つのコースから選ぶだけで面倒な手続きなしで始められます。
■アクティブコース…日々の変動が大きく積極的な運用を目指すコースです。原則、楽天・インデックス・バランス・ファンド(株式重視型)の基準価額の値動きを反映しています。
■バランスコース…日々の変動が小さく安定的な運用を目指すコースです。原則、楽天・インデックス・バランス・ファンド(債券重視型)の基準価額の値動きを反映しています。 - 最低100ポイントから始められます。ただし、期間限定ポイントは対象外です。
- 使い道がない、あるいは有効期限が切れそうなポイントを使って投資の疑似体験ができます。
- お試し感覚、ゲーム感覚で始められ、投資初心者に最適です。
- 上手に運用すれば、ポイントを増やすことができます。
- 運用益は現金では手にすることはできませんが、買い物などあらゆる楽天のサービスに使えます。
- ポイント運用はポイントのまま運用し、運用益もポイントで入りますので、原則非課税です。
- 手数料やサービス料は一切かかりません。
- 運用益がポイントで戻りますので、現金化の方法としては適していません。
- SPU(スーパーポイントアップ)の対象外となります。
- 投資ですので、運用に失敗するとポイントが減ってしまいます。
- 通常、投資信託は口座の名義人が死亡した場合は相続人が相続することが可能ですが、ポイント運用は相続できません。
- 使用できるポイントは、楽天サービスで得た通常ポイントのみです。期間限定ポイントや提携サービスで交換した通常ポイントは使えません。
ポイント運用の方法
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2.ログイン
楽天会員のユーザID/パスワードでログインします。
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3.コース&ポイント数の選択
スタート時のコースとポイント数を選択します。通常は、利用者の8割が選択しているアクティブコースと保有ポイント数が選択されていますので、問題がなければ「この設定ではじめる」を選択します。
コースとポイント数を変更したい場合は、「コースとポイント数を変更する」を選んで指定しなおします。
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4.「確定する」を選択
確認画面が出ますので間違いがないか確認し、利用規約に同意したら「確定する」を選択します。
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5.受付完了
「追加申請日(手続き当日)」「手続き完了日(3日後)」「ポイント変動日(4日後の22時以降)」と表示され、受付完了となります。
※ポイント運用で運用しているポイントは、引き出して通常ポイントとして使えます。
楽天ポイントを使った「ポイント投資」と「ポイント運用」の方法や、メリット・デメリット、税金について紹介しました。
投資初心者の方は、「ポイント運用」で投資を体験してみましょう。増えた楽天ポイントは、手数料など一切かからず引き出すことができます。
投資に慣れてきたら楽天証券に口座を作って、増えた楽天ポイントを使って「ポイント投資」をし、本格的な投資にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。