手元に現金がなくて困った時に使える現金化の方法はいくつかありますが、その中でも簡単にできるといわれているのが、クレジットカード現金化と後払い現金化です。
しかし、それぞれの仕組みを理解して利用しないと、現金化に失敗してしまうことになります。
クレジットカード現金化と後払い現金化の仕組みやそれぞれの特徴について、わかりやすく解説します。
クレジットカード現金化の仕組みは?
クレジットカード現金化の仕組みや流れについて説明します。
クレジットカード現金化の仕組み
クレジットカード現金化は、現金化業者を介してクレジットカードのショッピング枠で買い物をし、現金を手に入れる方法です。
一般的なクレジットカード現金化には、買取方式とキャッシュバック方式があります。
買取方式
買取方式は、クレジットカードのショッピング枠で購入した商品を業者に買い取ってもらい、現金を受け取ります。
自分で購入した商品をリサイクル店や金券ショップ、オークションやフリマアプリで売却することでも現金化はできますが、購入から現金を入手するまでに手間と時間がかかります。
また、商品を目利きすることができないと、売れ筋以外のものを買ってしまって、売却できずに現金化に失敗する可能性もあります。
その点、買取方式の現金化業者を利用すれば、希望の額に合わせて業者が指定する商品をオンラインで購入・売却すればいいので、手間なく確実に希望する金額の現金を手に入れることができます。
キャッシュバック方式
キャッシュバック方式は、現金化業者が運営するショッピングサイトでクレジットカードを使って商品を購入し、その購入特典として現金がキャッシュバックされます。
購入特典ですので、クレジットカード決済が行われたらすぐに現金が振り込まれます。
初回は本人確認などの手続きのため多少時間がかかりますが、2回目以降の利用では「最短10分で振込可能」と宣伝している業者がいるほど、スムーズに現金化できます。
クレジットカード現金化の注意点
- クレジットカード現金化は、本人名義のクレジットカードがなければ利用できません。
- クレジットカード現金化は、クレジットカードのショッピング枠を使って行いますので、ショッピング枠に利用枠が残っていなければ行えません。
- クレジットカードの現金化では、商品の授受がないと商取引を装った融資とみなされてしまいます。そのため、100円ショップ等で購入できるような安価な商品や、オンラインで簡単に送付できる情報商材等が商品として使われています。
情報商材であればメールで簡単に受け取れます。しかし、商品が送付されてくる場合、家族に知られるのがいやで受け取りを拒否する人もいますが、必ず受け取るようにしましょう。
- 買取方式は中古品の買取りということになるので、古物商許可証を取得していない現金化業者を利用すると違法行為になります。
クレジットカード現金化の流れ
それぞれの現金化の流れを紹介します。
買取方式
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1.申し込み
クレジットカード現金化業者のサイトにあるメールフォームや電話で申し込み、現金化したい金額や必要情報を知らせます。
折り返し業者から、換金率や入金日の説明をする電話がありますので、納得したら本人確認書類を送付します。
-
2.商品の購入
業者が指定する商品をクレジットカード決済で購入し、商品が届いたら業者に買取りを依頼します。
-
3.商品の買取り
業者が商品を受け取り次第、最初に提示された換金率で現金化されます。
-
4.入金
指定した金融機関の口座に現金が振り込まれますので、最初提示された換金率通りの金額が入金されているか確認します。
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5.商品代金引き落とし
クレジットカードの代金引き落とし日に商品代金が引き落とされますので、それまでにクレジットカードの引き落とし口座に入金しておきます。
クレジットカードが本人名義であることを確認するため、本人確認書の写しを提出する必要があります。
キャッシュバック方式
-
1.申し込み
クレジットカード現金化業者のサイトにあるメールフォームや電話で申し込み、現金化したい金額や必要情報を知らせます。
折り返し業者から、換金率や入金日の説明をする電話がありますので、納得したら本人確認書類を送付します。
-
2.商品の購入
業者が指定する商品をクレジットカード決済で購入します。
-
3.入金
決済が完了すると、購入特典として指定した金融機関の口座に現金が振り込まれますので、最初提示された換金率通りの金額が入金されているか確認します。
-
4.商品受け取り
購入した商品が送られてきますので、必ず受け取ります。
-
5.商品代金引き落とし
クレジットカードの代金引き落とし日に商品代金が引き落とされますので、それまでに引き落とし口座に入金しておきます。
クレジットカード現金化利用のメリット
クレジットカード現金化を利用するメリットは次の通りです。
- 手続きはオンラインで済み、業者によっては即日の現金化に対応してくれます。
- クレジットカードのショッピング枠に利用可能残高があれば利用でき、利用に際しては銀行ローンや消費者金融のような審査を受ける必要はありません。
- 形式上はショッピングなので、きちんと支払いができれば信用情報に傷がつくことはありません。
- 業者と利用者の間にクレジットカード会社が入っているので、万が一支払いが滞っても業者から督促される心配はありません。ただし、クレジットカード会社からは、指定口座への入金の依頼が来ます。
もし、期日までに入金できない場合は、クレジットカードの使用が停止されるなどのペナルティが科せられます。
クレジットカード現金化を利用できない人
クレジットカード現金化は次のような場合、利用できません。
- クレジットカードを持っていない人
- 審査に通らずクレジットカードを作れない人
- クレジットカードのショッピング枠を利用限度額いっぱいまで利用してしまい、利用枠が残っていない人
クレジットカード現金化利用の問題点
クレジットカード現金化には次のような問題点があります。
- クレジットカード現金化の換金率は80%前後で、これを融資とみなして金利を計算すると、出資法の借入れの上限金利15?20%を遥かに越える利息となり違反です。
- クレジットカード現金化は、現在の法律では違法ではありませんが、クレジットカード会社の利用規則には反する行為なので、完全に合法というわけでなく、いわば法律のグレーゾーンに該当する行為です。
- クレジットカード会社の利用規則ではクレジットカード現金化を禁止していますので、万が一クレジットカード会社に現金化していることが知られてしまうと、利用停止や退会処分、代金の一括返済等の厳しい処分が科せられます。
- 裁判所は、クレジットカード現金化を理由にした自己破産を認めません。
後払い現金化の仕組みは?
後払い現金化の仕組みと申し込みから現金化されるまでの流れについて説明します。
後払い現金化の仕組み
後払い現金化は、現金化業者から後払いで商品を購入し、「買い物代行」「買取り」「口コミをSNSで発信した謝礼」といった名目で、商品代金から業者の手数料を引いた現金が振り込まれます。
実際には商品取引の実態はなく、手続きはオンラインか電話で行われ、商品代金は業者が指定する期日に後払いで支払います。
後払い現金化の流れ
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1.申し込み
後払い現金化業者のサイトにあるメールフォームや電話で、現金化したい金額や雇用形態等の必要情報を知らせます。
-
2.書類提出
折り返し業者から連絡が来て、提出する書類が指定されますので、指示に従い書類の写しをメールで送ります。
主な提出書類は以下の通りです。
・顔写真付き身分証明書(両面)
・身分証明書を持った自撮り写真
・保険証(両面)
・直近2、3ヶ月分の給与明細書
・金融機関の直近2、3ヶ月分の入出金明細書 -
3.審査
提出した情報・書類をもとに審査が行われます。業者によっては職場に電話をかけ在籍確認することがあります。
-
4.金額提示
審査に通ると、後払いで購入する商品や現金化できる金額等が提示されますので、異存がなければ次に進みます。
-
5.商品購入、現金化
業者のショッピングサイトで業者指定の商品を購入すると、即日で指定した金融機関の口座に現金が振り込まれますので、提示された金額と違っていないか確認します。
-
6,商品代金支払い
業者が指定した支払い期日までに、商品代金を業者指定の銀行口座に振り込みます。
後払い現金化のメリット
- 後払い現金化では、商品代金は業者の銀行口座に直接振り込めばいいので、クレジットカードを持っていなくても行えます。
- 後払い現金化の審査は、定期的な収入があるかどうかで判定されるため、銀行ローンや消費者金融、クレジットカード作成等の審査に通らない人でも、定職についていれば審査に通ることができます。
後払い現金化を利用できる人
- 仕事を持ち、定期的な給料を得ている人が利用できます。
専業主婦や無職の人等、定期的な収入がない場合は利用できません。
後払い現金化の問題点
ここでは、後払い現金化の問題点や利用する際の注意点を紹介します。
- 後払い現金化の換金率は60%前後です。これを融資とみなして金利を計算すると、出資法の上限金利15~20%を遥かに越える利息を取られていることになり、業者は出資法違反に問われます。
- 無届で貸金業を営んでいたとみなされると、業者は貸金業法違反に問われます。
- 上記のことから、後払い現金化は商品取引の形式を採っているが違法な闇金である、と消費者庁や警察庁、金融庁などは見ています。
- クレジットカードが使えず、消費者金融などでもお金を借りられない人でも定職があれば利用できるため、利用者の多くが多重債務に陥っています。
- 給与明細や金融機関の口座り歴等の個人情報を提出する必要があり、悪徳業者に関わってしまうと個人情報を悪用される心配があります。
- 審査で在籍確認が行われるので、職場の人に借金があることを知られてしまう心配があります。
- 支払いができなくなる可能性が高いことがわかっていながら、「審査不要」等と宣伝して、専業主婦や無職の人、多重債務に既に陥っている人を集客している業者がいます。
- 商品代金の支払いができないと、現金化業者が直接被害を受けるため、厳しい取り立てが行われます。
「審査なし」「ゆるい審査で主婦でも利用可能!」等と宣伝し、支払いが滞ることを見越して専業主婦や無職の人の利用を受け付け、支払い延滞料等の名目で利息分を月々払わせて利益を貪る業者がいるので、利用に当たっては細心の注意が必要です。
闇金業者が現金化業者を装っていることが多く、そういう業者と関わって支払いができなくなると、職場や自宅に嫌がらせをされたり、個人情報を流されたりする危険があります。
クレジットカード現金化と後払い現金化比較
クレジットカード現金化と後払い現金化を比較してみましょう。
クレジットカード現金化 | 後払い現金化 | |
---|---|---|
利用できる人 | クレジットカードのショッピング枠に利用可能残高がある人 | 定期的に給料を得ている人 |
換金率 | 80%前後 | 60%前後 |
支払い先 | クレジットカード会社 | 現金化業者 |
審査 | なし | あり(給与明細、金融口座の入出金明細の写し等必要) |
利用額 | ショッピング枠の利用可能残高から手数料(20%前後)を引いた額 | 給料の支給予定額から手数料(40%前後)を引いた額 |
支払い日 | クレジットカードの引き落とし日 | 業者が指定した日(多くは給料支給日) |
違法性 | 高い | グレーゾーン |
まとめ
クレジットカード現金化と後払い現金化の仕組みや問題点、それぞれの特徴を比較してみました。
後払い現金化は、利用者が支払い不能になると、業者が負債を抱えることになってしまうため、厳しい取り立てが行われます。
商取引を装いながら実際は闇金業者である場合が多く、「闇金よりはましだろう」と手を出してしまった結果、高い手数料を取られてさらに苦しい状況に追い込まれてしまう人が多いので、利用は避けましょう。
クレジットカード現金化は、今はまだ法的にグレーゾーンの取引ですが、万が一クレジットカード会社に知られてしまうと厳しいペナルティを受けることになります。
また、悪徳業者に関わってしまって、被害にあったというケースも多数あります。
クレジットカード現金化を行う際には、繰り返し利用して怪しまれることのないようにするとともに、業者を選ぶ際は口コミなどを見て優良業者を選ぶようにしましょう。