消費者金融やキャッシング等での借り入れが難しい時、クレジットカードのショッピング枠に利用可能な残高が残っていれば利用できるクレジットカード現金化は大変便利です。
このクレジットカード現金化はいつ頃どのようにして生まれ、利用されてきたのでしょうか。
クレジットカード現金化の歴史と変遷、利用される理由と注意点を紹介します。
クレジットカード現金化の歴史
クレジットカードの誕生
第二次世界大戦後の1950年(昭和25年)、初めてのクレジットカードであるダイナースクラブがアメリカで誕生しました。
社名のダイナースは「夕食をする人」という意味ですが、これは共同創立者のマクナマラとシュナイダーがニューヨークで夕食を共にした際にマクナマラが財布を忘れた経験がきっかけで、「ツケ払い」で食事ができるクラブを作ろうという発想から名付けられたものです。
日本においてクレジットカードが使われるようになったのは1960年代に入ってからで、日本ダイナースクラブとJCBが1961年に発行を開始しました。
クレジットカード現金化の誕生
日本でのクレジットカード現金化の手法は1980年代に誕生したといわれています。
しかし、クレジットカードが誕生した頃から、個人で現金化に利用していた人はいたと思われます。
手法としては、クレジットカードを使って購入した商品を質入れしたり売却したりして換金するという方法で、この頃はまだ、クレジットカード現金化業者は存在していませんでした。
クレジットカード現金化を専業にする業者がいつから現れたのかははっきりしていません。
ただ、1990年初頭のバブルが崩壊した頃には、クレジットカード現金化業者の宣伝広告を見かけるようになっていましたので、バブル期前後にはクレジットカード現金化専門の業者が誕生していたと考えられます。
1995年にWindows 3.1の後継としてWindows95が発売され、一般家庭にもインターネットの利用が急速に広がり始めました。
それまでは店頭取引のみだったクレジットカード現金化は、インターネットからの申し込みでも使えるようになりました。
その後、1998年にはWindows98が発売され、1999年には当時としては高速通信規格のADSLが登場、携帯電話のインターネット接続サービスも開始されたことから、2000年に入ると加速度的にインターネットが普及しました。
それに伴ってクレジットカード現金化も、ネット申し込みの割合が多くを占めるようになりました。
今ではクレジットカード現金化業者は実店舗を置かず、オンライン手続きで申し込みから入金まで完結するようになっています。
2010年6月には改正貸金業法が施行され、総量規制されるようになりました。
総量規制は貸金業者からの借り過ぎや貸し過ぎを防ぐためにできた制度で、貸金業者からの借入残高が年収の1/3を超えてはならないというものです。
これによりキャッシングやカードローンで一定以上の借り入れができなくなったために、総量規制の対象外のクレジットカードのショッピング枠が注目されるようになりました。
クレジットカードのショッピング枠を使った現金化であれば、枠に余裕があれば誰でも利用できるため利用する人が一気に増えました。
クレジットカード現金化の変遷
クレジットカード現金化業者は、最初は買取方式での現金化を行っていました。
買取方式では、最初は人気家電や高級ブランドバッグ、貴金属等の買取が主流でしたが、その後はゲーム機やゲームソフトが利用されるようになり、最近ではオンラインで商品の受け渡しが完了する電子ギフト券が人気となっています。
その後、商品を購入した特典として即時キャッシュバックされるキャッシュバック方式の手法も生まれ、買取方式よりも手間がなく早く現金が手に入ることから、現在ではキャッシュバック方式が現金化の主流となっています。
クレジットカード現金化が重宝された理由
クレジットカード現金化がこれほど普及し重宝がられているのには、どのような理由があるのでしょうか。
借り入れができない人でもクレジットカードのショッピング枠があれば利用できる
消費者金融やクレジットカードのキャッシングでこれ以上借り入れができなくても、クレジットカードを持っていて、ショッピング枠に余裕があれば現金化できます。
クレジットカード現金化は総量規制の対象とならないため、これ以上借金ができないという人でも利用できます。
利用に際して審査がない
現金をすぐに用意しなければならなくなった時、お金を得る方法はいくつかあります。
一般的なものでは消費者金融で借り入れを行う方法ですが、そのためには審査に通らなければならず、過去に延滞等があった場合は審査に落ちる可能性があります。
クレジットカード現金化は、ショッピング枠が使えるのであればお金を借りる時のような審査を受ける必要がありません。
業者からの取り立てがない
他に現金化の方法がなく、思い余って闇金に手を出してしまい返済できなくなると、厳しい取り立てが待っています。
しかし、クレジットカードの現金化では、もし支払いが滞っても、支払う相手はクレジットカード会社なので、現金化業者から厳しい取り立てがないという安心感があります。
借金をしたという最悪感が少ない
借金というと負のイメージを持ってしまう人が多いでしょう。
しかし、クレジットカード現金化は商品を購入する商取引であるので、借金をするという負い目を感じることなく現金化できます。
信用情報に傷がつかない
銀行ローンや消費者金融を利用すると信用情報に影響しますが、商取引であるクレジットカード現金化は、きちんと支払いを行いクレジットカード会社に現金化したことを知られなければ信用情報に傷がつく心配はありません。
インターネットや電話で手続きが進む
クレジットカード現金化は、インターネットや電話で申し込みをし、入金は銀行振込なので、店舗に行かずに全国どこからでも手続きができます。
24時間営業で深夜の振込が可能な現金化業者であれば、深夜に申し込んでもすぐに入金されるので、ネット銀行等を振込口座に指定しておけば24時間いつでも現金化できます。
クレジットカードのポイントが貯まる
クレジットカード現金化はクレジットカードを使って商品を購入するので、普段クレジットカードで買い物をするのと同じようにカードのポイントが貯まります。
クレジットカード現金化を利用するに当たっての注意点
クレジットカード現金化は、時代に合わせて少しずつ形を変えながら利用され続けています。しかし、便利な反面、利用に際してはいくつかの注意点があります。
クレジットカード会社に現金化していることを知られたらペナルティを受ける
クレジットカード現金化は、現在の法律ではグレーゾーンに当たります。
これは、クレジットカードで買い物をした商品が気に入らず転売する行為と、最初から現金化を目的に購入して転売する行為が、購入の目的は違っても取引上は同じであるためです。
しかし、クレジットカード会社の利用規則ではクレジットカード現金化を禁止しており、AI等を使い24時間不正利用を監視しています。
法的に罰せられないとしても、発覚した場合にはクレジットカード会社の規定に従い、一括返済、カードの利用停止、退会処分等の厳しいペナルティを受けることになります。
利用は計画的に行う
クレジットカード現金化は買い物感覚で行えますが、1カ月後には支払い日がやってきます。
きちんと返済できている間はいいのですが、支払いが滞るとクレジットカード会社から不正利用、現金化を疑われるきっかけになってしまいます。
クレジットカード現金化は、きちんと支払える範囲で計画的に行いましょう。
現金化目的でのクレジットカードの頻繁な利用は避ける
現金化のために高額な利用ばかりしていると不正利用を疑われてしまいます。
頻繁な利用を避けると共に、生活用品等消耗品の購入にも使って怪しまれないようにしましょう。
同じ商品ばかり繰り返し購入しない
換金率がいいからと、1つで十分な家電商品を何台も購入する、あるいは同じブランドの同じ型のバッグを何個も購入するなどといった、現金化を疑われるような購入のし方は避けましょう。
利用限度額ぎりぎりまで利用しない
クレジットカードの利用締日にいつもショッピング枠の限度額いっぱい使い切っているのは危険です。
特に、ショッピング枠に加え、キャッシング枠も限度額上限まで使い切っていた場合は、クレジットカード会社に「多重債務に陥りやすい人」としてマークされてしまいます。
クレジットカード会社に疑われても慌てない
クレジットカード会社から不正利用を疑われた場合、利用内容についての問い合わせの電話がかかってきます。
その際、購入品目、購入店、購入目的等を聞かれますので、しっかり答えられるようにしておきましょう。
電話に出ないのは疑いをより深めますので、出るようにしましょう。
素直に認めた方が、心証がいいだろうと、現金化をあっさり認めてはいけません。厳しいペナルティを課せられ、信用情報に傷がついてしまいます。
実績のある優良業者を選ぶ
クレジットカード現金化を利用する人が増えるにつれ、新規参入する者も増えています。
その中には、手数料を相場より多く取って利益を貪ったり、個人情報を盗んで闇金業者に売ったりする悪徳業者が混ざっています。
こういった悪徳業者に騙されないよう、クレジットカード現金化をする際には実績のある優良業者を選びましょう。
悪徳業者は利用者との間でトラブルを起こしたり、利用者の口コミ等で悪評を書かれたりすると、ホームページを閉鎖して雲隠れし何食わぬ顔で新しい屋号で新規出店します。
社歴が長い業者はそういった利用者とのトラブルがないからこそ長く営業できているので、社歴が長い業者はある程度信頼できるということになります。
また、業者によってはインターネット営業であることをいいことに、連絡先の電話番号や運営会社の所在地を明らかにしていないところもあります。
こういう業者に引っかかると、トラブルがあっても連絡を取ることができませんし、現金を手にする前に逃げられてしまうかもしれません。
業者を選ぶ際には、業者のホームページにある会社概要を確認して、社歴、連絡先、所在地等を確認しましょう。
いくつか候補が絞れたら、外部の現金化比較サイトや掲示板で、実際に利用した人の口コミを調べ、悪い口コミばかりが目立つ業者は避けることをおすすめします。
まとめ
クレジットカード現金化の歴史と変遷、普及した理由、そして利用に際しての注意点を紹介しました。
クレジットカード現金化は時代の流れに合わせて手法を変えながら、現金化を希望する人に利用されてきました。
即日現金化するには便利な方法ではありますが、過度な利用でクレジットカード会社に現金化していることを知られてしまったら重いペナルティを課せられてしまいます。
また、支払いが滞れば他の借金と合わせて多重債務に陥る可能性がありますので、十分注意して計画的に利用するようにしましょう。