最近発行されたクレジットカードの多くには、ICチップが搭載されています。
これは従来の磁気ストライプカードと比べて、耐久性が高く不正利用に強いことが大きな特長です。
ノートPCやスマートフォン、タブレットの普及によってカードの磁気不良トラブルが頻発する中でも、ICカードであれば何も心配することなくカードを使うことが出来ます。
ICチップが付く意味は、近年急増するスキミングによるカードの不正利用にも強いため、今日では新たに発行されるクレジットカードのほぼ全てにICチップが搭載されるようになりました。
安全性と耐久性が高いことに加え、普段の決済時においてもICカードは優れたメリットがあります。これを知っておけば、より安全かつスムーズに日々の買い物や支払いでICクレジットカードを活用することが出来るでしょう。
今回はICチップを搭載したカードが、従来のカードと比べてどう違うのか? ICカードならではのメリットにはどんなものがあるのかをご紹介します。
ICチップ付きクレジットカードは今までのカードとは違う?
従来のクレジットカードは、カード情報の読み取りに磁気ストライプを用いるものが主流でした。磁気ストライプはカード・読取機共に低コストで作ることが可能であるため、加盟店を増やしたり多くのカードを発行する上では非常に優れたものだったのです。
しかしこの磁気ストライプには、2つのデメリットがあります。
磁気不良が起こりやすい
1つは磁気不良が起こりやすいこと。
携帯電話やPCの傍に置いておくと、ストライプの磁気が狂ってカードの読み取りが出来なくなることが多々あります。
読み取りが出来なくなるとカード決済そのものが不可能となり、再発行が必要となります。
再発行は費用がかかることに加え、1~2週間カードが利用できなくなってしまうため、カード会員にとっては大きな不便となることが難点です。
また、スマートフォンとタブレットの普及により、この磁気不良が起こる頻度は日に日に増加していることが現状です。
スキミング被害に遭う可能性がある
もう1つのデメリットとして、スキミング被害に遭う可能性が高いことが挙げられます。
例えばATMのカード挿入口に悪意ある第三者が読取機を取り付け、それに気付かずにカードを挿入してしまった場合、決済に必要な情報が全て第三者へ渡ってしまいます。
読み取りが容易である分このように悪用されてしまう可能性が高く、結果として不正利用の被害に遭う可能性が非常に高い難点があるのです。
一昔前までは携帯電話が普及していなかったり、スキミング犯罪がそれほど一般的ではなかったためにこうしたデメリットの影響は小さなものでした。
しかし強い電波を使う携帯やPCが普及し、スキミング犯罪の発生頻度が高くなった今日、これらのデメリットは深刻な問題として受け止められるようになってしまったのです。
磁気不良とスキミングに強い次世代カードとして ICチップ搭載カードが誕生
この対策として作り出されたのが、ICチップを新たに搭載したクレジットカードです。
カードの表面に金属製チップが搭載されたこのカードは、強い電波を発する電子機器の傍においても読み取りエラーが起きることはなく、また第三者が読取機を用いてスキミングを行うことも出来ません。
新たにチップを搭載する分、カード会社の発行コストがかさむことが唯一のデメリットですが、それ以外においては安全性と耐久性の双方において優れた特徴を持つ、まさに次世代の万能カードと言えるものなのです。
ICカードは安心で便利!最近の主流はICチップ付きのカード
ICカードではスキミング犯罪が物理的に一切不可能
ICカードは決済時に暗証番号が必要となるため、仮に第三者が読取機でカードの情報を不正に入手したとしても、暗証番号がなければ悪用することは一切できません。
これにより、カード決済において悩みのタネとなっていたスキミング犯罪に対する決定的な対策が確立されました。
もちろん、ICカードに併用されている磁気ストライプが読み取られてしまった場合には不正利用の被害に遭う可能性はまだ残っています。
しかしご安心ください。磁気ストライプ部分がスキミング被害にあってしまった場合には、カード会社の盗難保険によって不正利用分が全額保証されます。
手続きに手間がかかることは否めませんが、金銭的な損害は確実にゼロにすることが出来るのです。
暗証番号による決済は 普段のカード利用時にもメリットがある
また、暗証番号による決済はセキュリティ面で優れているだけではありません。
通常のカード決済は利用明細にサインが必要ですが、ICカードであれば端末に暗証番号を入力することにより、サインレスで決済が完了します。
読み取りから決済完了までの時間も従来のカードと比べて圧倒的に早く、スムーズに決済を行えることが特長です。
また、万が一暗証番号を忘れてしまった場合も心配は無用です。
スキミング対策の紹介でも触れましたが、国内で流通しているICカードには磁気ストライプが併用して備わっています。
そのため、もし暗証番号を思い出せなくなってしまった場合でも、磁気ストライプを使用すれば通常通りのサインによる決済が利用可能です。
安全なカード利用のためにはなるべく暗証番号による利用が望ましいのですが、万が一忘れてしまった場合でも、これで安心ですね。
2020年にはICカード普及率が100%になる見込み
ICカードは登場以来爆発的に普及が進み、今では磁気ストライプだけのカードを探すほうが難しいほどです。
この普及率の高さとセキュリティ面の強さを受け、政府では2020年までに日本国内で発行する全クレジットカードのIC化と、店頭の決済端末を全てICカード対応のものにすることを目標に掲げました。
まだ磁気ストライプによる利用が主な飲食店や百貨店なども、この大号令によって近いうちにICチップを用いた暗証番号による利用が主流となっていくことが予想されます。
ICチップが汚れたら使えない!?決済できなくなった時の対処法
磁気不良による決済トラブルとは無縁のICカードですが、ICチップが汚れてしまった場合には決済が出来なくなることがあります。
ICカード対応の読取機の場合、カード表面のチップを読み込んで決済に必要なカード情報を取得します。
この時チップにサビや汚れがあったら、読み取りエラーが起こってしまうため、必要な情報を取得することが出来ません。
ICチップはサビに強い
とはいえ、チップが錆びてしまうことはほとんどありません。
ハードな利用環境にも耐えられるよう、クレジットカードのICチップは表面に金メッキ加工が施されているからです。
金は水分や塩分に触れても変質することがないため、水気の多いところでカードを利用することが多くても、チップが錆びてしまうことはまず考えられません。
汚れは落とす必要がある
サビには強い一方、ICチップは表面の汚れに弱い欠点があります。
例えば財布から取り出す時、指についたゴミがチップに付着してしまった。決済時に何かしらの汚れがチップ表面に付着してしまったなど、考えられる場面は数多くあります。
けれども心配はいりません。金メッキは汚れにも強く、ハンカチやティッシュペーパー、メガネ拭きなどで軽くひと拭きすればすぐにピカピカになります。
それでも落ちない頑固な汚れがついてしまった場合には、アルコール系の洗剤を布に付けてひと拭きするだけ。これでほぼ全ての汚れが落ち、元通りに決済ができるようになります。
チップ故障時には交換が必要
また、万が一チップが故障してしまった場合には残念ながら交換が必要となります。
例えばCIチップの部分に強い圧力がかかった場合や、非常に高温の場所に放置してチップに変形や変質などが生じてしまった場合、いかに丈夫なものであっても、決済が出来なくなる可能性があります。
この場合には、元通りにすることは困難です。残念ですが一旦諦め、再発行の手続きを進めていきましょう。
最後に
ICチップ搭載クレジットカードの特徴について、ご紹介致しました。
今までICカードの発行に及び腰だったアメリカン・エキスプレスやダイナースクラブなども、ここ最近はICカードの導入に踏み切っているように、今やICカードはクレジットカードにおいて主流となりつつあります。
安全性が高く、決済がよりスムーズに行えるなど、磁気ストライプと比べてもメリットが多いため、これを選ばない手はありません。
今まで磁気ストライプカードだけを発行していた会社も、更新カードに順次ICチップを搭載しつつあるため、これを機会にICカードを積極的に利用してみてはいかがでしょうか。
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