専業主婦や無職でも利用できる?後払い(ツケ払い)現金化には要注意

後払い現金化を利用するに当たっては、安定した収入があるかの審査を受ける必要があるため、専業主婦や無職の人は利用できないことになっています。

ところが、「審査不要」「審査がゆるいので専業主婦や無職の方も利用可能!」などと宣伝して、集客に熱心な業者がいます。

専業主婦や無職の人がこういった業者を利用するのは安全なのか、後払い現金化の違法性も含めて紹介します。

後払い現金化の審査

後払い現金化の審査

急な支払いや借金返済などのために現金が必要になった時、クレジットカードを持っていれば、クレジットカード払いやキャッシング枠を使った借り入れ、ショッピング枠を使った現金化という手段でしのぐことができます。

しかし、クレジットカードを持っていない、何らかの理由で審査が通らず利用できないという場合は、どのようにして現金を入手したらいいのでしょうか。

消費者金融や銀行ローンで融資を受けるという方法が思い浮かびますが、いずれも信用調査を受ける必要があります。

既に借金を重ねていて信用調査がブラックの人や、専業主婦や無職の人にとって、その審査はかなり難関です。

最後の現金化方法として思い浮かぶ「後払い現金化」も同じで、利用するに当たっては審査が行われます。

ただし、後払い現金化の審査は、消費者金融や銀行ローンとは違い、信用情報機関への照会をするわけではなく安定した収入を得ているかどうかで判断されるため、信用情報がブラックな人でも審査に通る確率が高いといわれています。

一方で、安定した収入がない専業主婦や無職の人が審査に通ることはまずないと考えられています。

その理由を、後払い現金化の審査内容や現金化の仕組みから考えてみましょう。

後払い現金化の審査内容

後払い現金化の審査では、次のような書類の提出を求められます。

審査で提出する書類

1.本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証など)のコピー
2.本人確認書類を持った自撮写真
3.直近2〜3ヵ月分の給与明細書のコピー
4.直近2〜3ヵ月分の金融機関の通帳の入出金明細のコピー
※業者によっては、1〜4に加え、職場に在籍確認をするところもあります。

後払い現金化業者が、信用調査機関への照会を行う消費者金融や銀行ローンと違って、収入確認を行う理由は、後払い現金化の仕組みにあります。

後払い現金化は、どのような仕組みで行われているのでしょうか。

後払い現金化の仕組み

後払い現金化は申し込みから現金化、支払いまですべてインターネット上でのやりとりで行われます。インターネットで「後払い現金化」と検索すると、たくさんの業者の名前がヒットします。

取引したい業者のサイトのメールフォームで申し込みを行います。

  1. 申し込み

    利用者が現金化したい金額を入力して申し込みます。

  2. 審査

    現金化業者から審査に必要な提出書類の要求があり、提出後審査が行われます。

  3. 商品購入の指示

    審査に通ると、申し込み金額に手数料を上乗せした金額の商品を、指定のショッピングサイトから後払いで購入するよう指示されます。

    指示されて購入する商品は、その値段の価値があるとは思えない情報商材などです。

  4. 現金化

    利用者が業者のサイトで商品を購入すると、その購入特典や口コミに対する宣伝報酬、買い物代行などという名目で利用者の銀行口座に即日現金が振込まれます。

  5. 商品代金支払い

    利用者は業者が指定する支払い期日までに、業者指定の銀行口座に商品代金(現金化した金額に手数料を足した金額)を振込みます。

専業主婦や無職の人が審査を通らない理由

専業主婦や無職の人は審査で提出する書類のうち、3の給与明細のコピーを用意できないため、支払い能力がないと判断されて審査に通りません。

後払い現金化では、業者は先に現金化して利用者に現金を振込み、後払いで商品代金を回収しますので、利用者に支払い能力がないと、商品代金を踏み倒されてしまいます。

そのため、後払い現金化の審査では、申し込み者が安定した仕事に就き、定期的な収入を得ているかが最重要の確認ポイントとなっているのです。

専業主婦や無職の人はもちろんですが、場合によっては非正規雇用の人でも審査を通らない可能性があります。

ところが、「審査不要」、あるいは「審査がゆるいので専業主婦や無職の方も利用可能」と宣伝している後払い現金化業者がいます。

こうした業者であれば、仕事をしていなくても利用は可能ですが、その安全性はどうなのでしょうか。

後払い現金化の安全性や違法性について考えてみましょう。

関連ページ:後払い現金化は保険証なしでも利用可能?審査なし、審査がゆるい業者の危険性についても徹底紹介!

後払い現金化の仕組みと、違法といわれる理由

後払い現金化の仕組みと、違法といわれる理由

後払い現金化の違法性

後払い現金化は、次のようなことから、違法性が高いといわれています。

  • 商取引を装っているが、実際は貸金業の届出をせずに行っている融資であるから、貸金業法に違反している。
  • 手数料が4割前後と高額であり、これを利息とみなした場合、出資法の上限金利をはるかに超えており、出資法に違反している。
  • 支払いが滞った際の取り立てがとても厳しく、現金化業者を隠れ蓑にした闇金業者の可能性が高い。
  • 後払い現金化は、給料を担保に融資をする「給料ファクタリング」が違法であるとされて摘発された後、業態を変えた同類の商売である。

実際、日本貸金業協会、財務局、金融庁、警察庁、消費者庁は合同で、次のような注意喚起をしています。

「後払い(ツケ払い)現金化」は、商品売買の形を採っているが、

  • 商品代金を支払う前に購入者が現金を受け取っている
  • 商品代金と商品の価値が見合っておらず、商品購入が本来の目的でないことが明白である
  • キャッシュバック特典、口コミ報酬、商品買取などの名目で金銭が支払われている
  • 商品代金と購入者が先に受け取る現金の差額(=業者の手数料)が高額である
  • 即日現金化できてもその後の支払いで経済的生活が悪化して、多重債務に陥る危険がある
  • 審査などを理由に提出した個人情報がネット上に晒されたり、悪用されたりして、トラブルに巻き込まれる危険がある

また、表向きは商品の売買の形を取っていてもその実態が貸付けであれば、貸金業に該当する可能性があることや、貸金業登録を受けずに貸金業を営んでいるのであれば、違法な闇金業者とみなされ罰則の対象になるとも指摘しています。

後払い現金化で摘発された事例

実際に、違法性が高いとして後払い現金化が摘発された事例を紹介します。

2021年10月、北海道県警が東京都内の後払い現金化業者を貸金業法違反(無登録営業)の疑いで逮捕しました。

容疑は価値のない商材を後払いで買わせ、キャッシュバックという形で現金を融資し、後日手数料をプラスした高額な代金を回収する後払い現金化の手口で、顧客数人に現金約10万円を貸したというものです。

この業者はそれまでに4500人以上に対して2億円超を融資して、約1億円の利益を得ていたと見られています。

専業主婦や無職の人でも利用OKの審査なし後払い現金化業者は安全?

専業主婦や無職の人でも利用OKの審査なし後払い現金化業者は安全?


支払い能力がない専業主婦や無職の人と取引すると、業者は商品代金を回収できない危険性を負うことになります。

それなのに、専業主婦や無職の人といった通常であれば利用NGの人を対象に、「審査不要」「審査は簡単」と宣伝して集客をしている後払い現金化業者がいます。

後払い現金化業者は、実質的には金融業者といわていますが正規の業者ではないため、信用情報の照会は必要なく、ブラックでも審査を通過させることは容易です。

しかし、購入代金を踏み倒される確率が高い利用者に対して、慈善事業でもないのに審査もせずにその利用を歓迎するその真意はどこにあるのでしょうか?

専業主婦や無職の人でも後払い現金化が利用可能な理由

夫や親が肩代わりするのを見越している。

専業主婦や無職の人が支払い不能となった場合、ことを大きくしないために扶養者である夫や親が肩代わりして支払うであろうと業者が見越していることが考えられます。

この場合、申し込みの時点で夫や親の収入証明を提出しろといわれると、利用を躊躇してしまう可能性が高いため、あえて「審査不要」として集客しているのです。

中には、「ご主人に収入があれば利用可能!」などとあからさまに宣伝している業者もいます。

払えなくなるのを前提に現金化に応じ、利息で稼ごうとしている。

最初から支払えなくなることを見越した上で現金化に応じて、商品代金の支払いを保留したまま、支払い延滞料などの名目で利息を延々払わせ続けて利益を貪るつもりでいるのです。

これは、闇金でもよく見られる手口です。

一部の後払い現金化業者は、このような目的で専業主婦や無職の人の利用を積極的に受け入れていますので、「審査なし」「審査がゆるい」と宣伝している業者を利用するのは大変危険です。

怪しい後払い現金化業者に関する相談窓口

怪しい業者に関する相談窓口


万が一、怪しい業者に関わってしまった場合、どうしたらいいのでしょうか。

家族に知られたくない、自分でなんとかしようとしても、雪だるま式に負債が増えて後戻りできなくなります。

早急に夫や家族に相談するとともに、公共の相談窓口などを利用して具体的な解決策を探しましょう。

以下のような団体・公的機関が相談窓口を設けていますので参考にしてください。

金融庁 金融サービス利用者相談室
0570-016811
(IP電話から03-5251-6811)
警察 (各都道府県警察相談ダイヤル)
#9110
日本貸金業協会貸金業相談
・紛争解決センター
0570-051051
(IP電話から03-5739-3861)
地方公共団体の消費生活相談 窓口消費者ホットライン188
財務局の相談窓口 ・北海道財務局
(011-807-5145)
・東北財務局
(022-721-7078)
・関東財務局
(048-600-1151)
・北陸財務局
(076-220-6721)
・東海財務局
(052-951-9620)
・近畿財務局
(06-6949-6259)
・中国財務局
(082-221-1552)
・四国財務局
(087-811-7801)
・九州財務局
(096-206-9763)
・福岡財務支局
(092-411-7297)
・沖縄総合事務局
(098-866-0095)

まとめ

後払い現金化は違法であり、利用するのは大変危険です。

特に、専業主婦や無職の人が「審査なし」や、「審査がゆるい」と宣伝している後払い現金化を利用してしまうと、支払いが滞った途端に厳しい取り立てが始まり、苦しむことになります。

夫や家族にこっそり隠れて現金化をしようとしていたのに、発覚してしまえば信頼を失うことになりますし、解決に当たっては借金を肩代わりしてもらうなど多大な迷惑をかけてしまいます。

場合によっては、夫婦関係、親子関係の危機を招くことになりますので、絶対に利用しないようにしましょう。

また、既に利用してしまい厳しい取り立てに苦しんでいるという人は、今回紹介した相談窓口に連絡して具体的な解決策を探しましょう。

投稿者プロフィール

橋本隆志
橋本隆志
借金総額300万円
消費者金融からお金を借り、借金返済をする為にクレジットカードで現金化をした経験などを元に執筆をしています。