仮想通貨を現金化するには、保有している仮想通貨を売却して、利確を行う必要があります。
「利確」とは、仮想通貨を売却することで、含み益を利益として確定させるという意味です。
仮想通貨を購入した時点よりも価格が上昇していれば「含み益」を得られますが、これはあくまで一時的な仮の利益なので、利確を行うことによってはじめて利益を得ることができます。
利確を行うまでは、仮想通貨の価格推移に応じて含み益も変動し、相場が下がれば逆に含み損(一時的な仮の損失)になる恐れがあります。
しかし、あまり早く利確を行っても大きな利益が得られないので、どのタイミングで利確すれば一番得するのかと、迷うところではないでしょうか。
ここでは、仮想通貨の利確を行う具体的な手順やベストなタイミング、利確に対する税金のルールなどについて解説します。
- 利確した仮想通貨を現金化する方法がわかる
- 仮想通貨の税金についてわかる
- 節税等で少しでも利益を確保する方法がわかる
利確で仮想通貨を現金化する方法とは?
まずは、仮想通貨の含み益をどうやって利確し、現金化できるのかについて説明します。
仮想通貨の利確には、以下の3つの方法があります。
仮想通貨を売却して日本円に換金する
仮想通貨取引所では、保有している仮想通貨を売却した時点で利確となり、含み益または含み損が確定されます。
仮想通貨の売却金額は、取引所の口座に日本円として入金されるので、後はその日本円を銀行口座へ出金するだけで、簡単に現金化ができます。
※銀行口座へ出金する際は、出金手数料がかかります。
仮想通貨売却のやり方
仮想通貨取引所内では、「販売所」または「取引所」で仮想通貨の売却ができます。
販売所では、いつでもすぐに仮想通貨を売ることができますが、販売所の業者が指定したレートでしか売却できません。
一方、取引所で売却する時は自分の売りたい値段で売り注文を出せますが、買い注文が出るまで待たなければなりません。
すぐに現金化する必要があるときは、販売所で仮想通貨を売却するのがおすすめです。
急ぎでない場合は、仮想通貨の相場が上昇したときを狙って取引所で売り注文を出すと、お得なレートで現金化できることがあります。
異なる仮想通貨に交換する
仮想通貨の含み益が出ている間に、異なる仮想通貨に交換すると、その時点で含み益が利確となります。
例えば、ビットコインを1BTC/10万円で購入した後で、1BTC/20万円に値上がりし、含み益が10万円になったとします。
その後、1BTCで20万円分のアルトコインに交換すると、その時点で含み益10万円が確定された利益になります。
交換したアルトコインは、仮想通貨取引所内の販売所または取引所で、現金20万円に換金できます。
ビットコインを購入した時点で支払った日本円は10万円ですが、ビットコインの値上がりからアルトコインへの交換・換金を経て、10万円もお得に現金化できることになります。
ただし、他の仮想通貨へ交換した後、その通貨が値下がりしてしまう可能性もあるので注意してください。
先ほどの例の続きで、20万円分のアルトコインが大きく値下がりして、1万円の価値しかなくなったとしましょう。
この場合、ビットコインを購入した時点で支払った10万円が、最終的に1万円になって戻ってきたので、9万円も損してしまったことになります。
このような損失を防ぐには、仮想通貨の交換で利確を行った後も油断せず、交換後の通貨の値動きに注意を払う必要があります。
仮想通貨を決済に利用する
含み益が出ている状態の仮想通貨を、お買い物やサービスの決済に利用すると、その時点で利益が確定します。
意図して利益を得るつもりはなくても、仮想通貨を何気なく決済に利用しただけで、相当な利益が発生する可能性があります。
仮想通貨は値動きが大きく、価格が突然に急騰・急落することがあるので、日常的な決済を行う上でもレートは常に確認しておく必要があります。
仮想通貨で頻繁に決済をしていると、利益が積み重なって、いつの間にか税金が発生することも十分ありえます。
仮想通貨で決済を行う際は、どれだけの利益が生じたかを必ず把握しておいて、確定申告が必要なら忘れずに手続きしましょう。
関連ページ:クレジットカード現金化には税金がかかる?確定申告は必要?
少しずつ利確を行いながら様子をみる
株式やFXと同様に、仮想通貨の売買においても利確のタイミングを判断するのは難しいポイントです。
損失を抑えながら安定して利益を上げるには、利確と損切り(仮想通貨の購入時よりマイナスの価格で売却すること)のルールを設定し、そのルールを必ず守ることが重要です。
仮想通貨の価格上昇が勢いに乗っていると、「もっと上がるかもしれない」と欲が出て、そのまま通貨をホールド(保有)し続ける人は多いでしょう。
しかし、利確を先延ばしにしていると、上昇し続けていた価格が急に下落し始め、気がつくと損失が膨らんでいるかもしれません。
仮想通貨の売買は、いつ価格が下がるか予測できない危険と隣り合わせです。
目安としては、仮想通貨の価格が購入時より10~20%上昇した時点で利確するのがおすすめです。
価格が10%まで上昇したら、少しずつ利確を行いながら様子を見て、20%に達した時点ですべての通貨を売却しましょう。
価格の上昇に伴い、損切りのラインも段階的に引き上げていくと、価格の下落にも慌てず対応できます。
損切りラインは、以下のような目安で設定するのがおすすめです。
価格の上昇率 | 損切りライン |
---|---|
5% | 購入時の価格 |
10% | 購入時より5%上昇時の価格 |
15% | 購入時より10%上昇時の価格 |
20% | 購入時より15%上昇時の価格 |
あらかじめ利確と損切りのルールを設定しておけば、価格の乱高下に惑わされず、冷静な判断ができるでしょう。
仮想通貨利確後に再投資する際の注意点
仮想通貨の利確によって得られた現金で、仮想通貨の再購入(再投資)を行う際には、必ず注意しなければならない点があります。
それは、手元に現金を残しておかなければ、仮想通貨の利確で発生した税金を支払えない可能性があるということです。
税金を支払うタイミングは利確を行った年の翌年ですが、確定申告をしたことがない人は、「税金の支払いは忘れた頃にやってくる」ということを知らないことがあります。
利確で現金化できた金額が大きければ大きいほど、税金も大きくなります。
例えば仮想通貨を1億円現金化した場合、約5,000万円もの税金がかかります。
仮想通貨を現金化した後、その現金をすべて仮想通貨の再購入に投じて大損をしてしまい、手元の現金がゼロになったとしたら、翌年度に5,000万円の税金を支払うことができません。
税金が支払えなければ、税金に延滞金が上乗せされますし、最悪の場合は財産を差し押さえられることもあります。
このような事態を防ぐには、仮想通貨の利確を行った後に発生する税金を計算して、納税に充てる現金を必ず手元に残しておきましょう。
- 税金の支払いは翌年度に行う
- 税金の支払いが遅れると最悪の場合財産差し押さえされる
- 納税に充てる現金を手元に残す
仮想通貨にかかる税金の計算方法や、確定申告の詳しいやり方については後述します。
関連ページ:dポイントで株の投資をして現金化をする【日興フロッギー+ドコモ投資】
仮想通貨の利確に対する税金のルール
ここからは、「利益がどのくらいになると確定申告が必要なのか」、「税率はどのくらいなのか」、といった気になるポイントを説明します。
仮想通貨にかかる税金とは?
仮想通貨は利確を行ったタイミングで税金が発生し、含み益が出ている時点では課税対象にはなりません。
個人・個人事業主・法人のうち、どの形態で仮想通貨の売買を行うかによって、税金のルールは異なります。
個人 | 個人事業主 | 法人 | |
---|---|---|---|
仮想通貨で得た所得の扱い | 雑所得 | 事業所得 | 事業所得 |
支払う税金 | 所得税、住民税 | 所得税、住民税、個人事業税 | 所得税、法人税、地方特別法人税、法人事業税、個人住民税 法人住民税 |
個人事業主・法人の場合は支払う税金の種類が増えますが、必要経費を控除できたり、個人より課税率が低くなったりといったメリットもあるので、節税効果は高くなります。
なお、仮想通貨の購入・送金・換金には、消費税はかかりません。
確定申告が必要なケースは?
会社員やパート・アルバイトなど給与所得者の場合、仮想通貨の利確で得た雑所得が年間20万円以上になると、確定申告が必要です。
利益が年間20万円以下なら基本的に確定申告は不要ですが、2ヶ所以上で給与所得を得ている場合は、申告が必要になる可能性があります。
例えば、会社員が副業としてアルバイトを行っていた場合、仮想通貨の利益とアルバイトの所得を合わせた金額が雑所得となります。
仮想通貨の利益が年間20万円以下でも、アルバイトの所得と合わせた雑所得の総額が20万円以上であれば、確定申告をしなければなりません。
専業主婦や学生、個人事業主といった給与所得を得ていない人の場合は、雑所得が年間38万円を超えると確定申告が必要になります。
また、雑所得が年間38万円以下の人でも、住民税申告が必要になる場合があります。
住民税申告が必要になる条件については、各自治体のHP等で確認してください。
- 給与所得者の場合、雑所得が年間20万円以上になる
- 2ヶ所以上で給与を得ている場合は、申告が必要になる可能性がある
- 給与所得を得ていない場合、雑所得が年間38万円を超える
- 住民税申告が必要になる場合がある
脱税は絶対にバレる?
仮想通貨の売買はバーチャル上の取引なので、税務署の目が届かないと考える人もいますが、脱税をすると必ずバレてしまいます。
税務署が仮想通貨取引所に対して情報を請求すれば、どのユーザーがどれだけの利益を得たかということが簡単に分かってしまうからです。
脱税行為が悪質な場合は、刑罰として10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金、またはその両方が科せられます。
税務署は銀行口座の入出金記録にも当然目を光らせているので、仮想通貨の現金化による所得があったことは容易に把握されてしまいます。
税務調査は何年も経ってから行われることがざらにあるので、油断して納税を怠っていると、後になって延滞税や加算税を支払う羽目になってしまいます。
税金の安い海外に移住して脱税しようとする人もいますが、日本で得た所得なら国内で課税されるので意味がありません。
海外の税制が適用されるには、海外移住が認可された後、海外で得た所得であることが条件になります。
国内でまだ利確を行っていなければ課税対象にならないので、節税目的で海外移住をするなら、移住した後で利確を行いましょう。
ただし、海外移住の条件は厳しく、出国時にも資産に対して税金がかかるので、簡単に課税から逃れることはできません。
損失は利益と相殺できる?
利確のタイミングを逃して損切りを行ったら、仮想通貨で得た利益やその他の雑所得と損益通算(利益と損失を相殺すること)ができます。
例えば、ビットコインの売買で50万円の利益が出た一方で、イーサリアムの売買で10万円の損失が出た場合、50万円の利益から10万円の損失を相殺することができます。
損益通算によって課税所得額は40万円になるので、節税効果が得られます。
ただし、株取引・FXで得た利益は税金の計算方法が異なるので、仮想通貨とは損益通算ができません。
また、雑所得以外の所得との損益通算や、繰越し控除(翌年度以降に余った損失を繰り越して損益通算すること)もできないので注意してください。
仮想通貨に対する税金の計算方法は?
個人で仮想通貨の売買を行い、利確したときに発生する税金を計算してみましょう。
給与所得を得ている個人の場合は、「給与所得」と仮想通貨の売買で得た「雑所得」を合計した金額に対して、税金を計算します。
このように、複数種類の所得を合計して課税する制度を「総合課税」といいます。
仮想通貨で出た利益以外に、本業収入や副収入、臨時収入など何らかの所得を得ている場合、それらすべてを合計した金額が「総所得」となります。
総合課税では、総所得から所得控除(基礎控除や給与所得控除、社会保険料控除など)を差し引いた「課税所得」がいくらなのかによって、税率が変わります。
課税所得(年間) | 税率 |
---|---|
195万円以下 | 5% |
195万円超~330万円以下 | 10% |
330万円超~695万円以下 | 20% |
695万円超~900万円以下 | 23% |
900万円超~1,800万円以下 | 33% |
1,800万円超~4,000万円以下 | 40% |
4,000万円超 | 45% |
上記の所得税に加え、一律10%の住民税がかかります。
例えば、年間課税所得が1,000万円の場合、所得税33%+住民税10%で、計43%の税金が発生します。
仮想通貨で4,000万円以上稼いだ人なら、最大で55%の税金を払わなければなりません。
節税するには?
仮想通貨で大きく稼いだら税率が高くなってしまいますが、以下に紹介する方法で節税をすることができます。
仮想通貨売買を事業として行う
個人事業主として開業または法人を設立し、仮想通貨の売買を事業として行うと、高収入を得ている人ほど税金がお得になります。
個人事業主・法人は、総所得から特別控除や必要経費、損失を差し引くことで、課税所得を抑えられるからです。
また、法人なら税率が個人事業主より約10~20%も低くなります。
例えば、年間5,000万円の課税所得がある個人と法人を比較すると、個人の税率は55%ですが、法人の税率は住民税や事業税を合わせても36%です。
毎年少しずつ利確を行う
利確を毎年38万円以内に抑えれば課税対象にはならないので、確定申告の必要がありません。
給与所得があって年末調整済みであれば、雑所得が20万円以下であれば申告不要です。
ただし、確定申告は不要でも、住民税の申告は行わなければなりません。
職場で副業が禁止されている人は、住民税が増えたことで副業がバレる可能性があるので注意しましょう。
ふるさと納税を行う
ふるさと納税とは、自分の好きな自治体に寄付を行うことで、寄付先から返礼品をもらえるだけでなく、税金がお得になる制度のことです。
税金面でのメリットは、寄付額に応じて所得税の一部が還付され、住民税が免除されるところにあります。
年間所得が多いほど寄付額の上限も上がるので、節税効果が高くなります。
さらに、寄付額の30~50%相当の価値がある返礼品がもらえるので、仮想通貨である程度の利益が出た人は、ふるさと納税の活用をぜひ検討してみてください。
仮想通貨の利確・現金化でよくある疑問
海外取引所で利確したら税金は発生する?
海外取引所で仮想通貨の利確を行った場合でも、日本に在住している人なら、国内で課税されます。
海外取引所では日本円への換金に対応していないので、いったん国内の取引所に送金して現金化しなければなりません。
海外取引所で含み益が出ている仮想通貨を国内取引所へ送金し、売却して日本円に換金した時点で、日本の税制に従って税金が発生します。
なお、海外取引所から国内取引所に送金するだけなら、税金は発生しません。
ただし、海外取引所から送金しようとする仮想通貨が、国内取引所で取扱いのない種類だと送金はできません。
その場合は、海外取引所で保有している仮想通貨を、国内取引所で取扱っている他の仮想通貨に交換してから、国内へ送金しましょう。
含み益がある状態で他の仮想通貨へ交換すると利確となり、その時点でも税金が発生するので注意してください。
海外に在住している人は、現地の税制に従って納税を行います。
「タックスヘイブン」と呼ばれる税金が著しく安い(または免除される)国、例えばシンガポールやパナマでは、日本より税負担が大きく軽減されます。
売買を繰り返した場合、税金の計算方法は?
仮想通貨の売買を何度も繰り返して利益を得た場合、税金の計算方法は複雑になります。
その対応策として、2019年以降は、仮想通貨取引所から利用者に対して「年間取引報告書」が毎年交付されることになりました。
年間取引報告書には、取引所ごとに仮想通貨の年間取引記録(年中に売買した仮想通貨の数量・金額や、その年の損益合計額など)が詳しく記載されています。
また、国税庁のHPでは、仮想通貨にかかる税金計算用のエクセル表「仮想通貨計算書」がダウンロードできるようになっています。
この仮想通貨計算書に、取引所から交付された年間取引報告書の内容を入力するだけで、税金が自動で計算されます。
ガチホ(仮想通貨の長期保有)で節税できる?
これと決めた仮想通貨を一度購入したら、ずっと保有し続けることを「ガチホ(ガチでホールドすること)」といいます。
これまで、仮想通貨は短期的な投機対象として脚光を浴びていましたが、今後の仮想通貨市場に対する強い期待から、実際にはガチホする人が多数派を占めています。
仮想通貨の利確を行わない限りは課税されないので、ガチホしている間は、どんなに含み益が出ていても確定申告は不要です。
ですが、仮想通貨の含み益をいずれは利確することになるので、税金の支払いを先延ばししているだけともいえます。
しかも、まとめて多額の利確を行うと税率が高くなってしまうので、こまめに少額ずつ利確をしておいたほうが、トータルで支払う税金は安くなります。
給与所得者(サラリーマンやOLなど)の場合、年間20万円以内の雑所得には税金がかからないので、毎年20万円だけでも利確しておくことをおすすめします。
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